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横浜市立大学附属市民総合医療センター 看護部の取り組み

横浜市立大学附属市民総合医療センター 看護部の取り組み
鈴木 美智子 さん

横浜市立大学附属市民総合医療センター 看護部長

鈴木 美智子 さん

目次
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この記事の最終更新は2019年02月01日です。

横浜市立大学附属市民総合医療センターは、三次救急医療を備えた高度急性期病院として、市民の皆さんへ医療を提供しています。同病院の看護部には、高度急性期病院で看護を提供したいと入職したモチベーションの高い看護師がそろっています。また、「一致団結できるマインド」をもつ点が強みであると、鈴木 美智子看護部長はおっしゃいます。

今回は、同病院の鈴木 美智子看護部長に、看護部の特徴や取り組みについてお話しいただきました。

横浜市立大学附属市民総合医療センターは、横浜市立大学附属病院と機能分担を図りながら、高度救命救急センターをはじめとする三次救急医療を備えた高度急性期病院として、市民の皆さんへ医療を提供しています。

また、10センター・20診療科を設け、多職種がチームを組み、それぞれの役割と責任を果たしながらスタッフ一丸となり患者さんのために日々尽力しています。

横浜市立大学附属市民総合医療センター

横浜市立大学附属市民総合医療センター

横浜市立大学附属市民総合医療センターの看護部は、「市民の皆さまの信頼に応え、未来につながる看護を創造する」ことを理念としています。この理念の実現のため、当院の看護師は、患者さんに真摯に向き合う姿勢を大切にしながら、患者さんの治療や生活をサポートするために常にベストを尽くしています。

当院は地域医療支援病院として、地域包括ケアにおける病院の役割を理解し、「地域とつながる病院」をつくっていきたいと考えています。このような地域連携を目指す姿勢は、今年度(2019年度)、当院の看護部の目標にしています。

当院の看護師には、この病院から地域へ戻る患者さんを常に想像しながら看護を行ってほしいと伝えています。また、当院の地域連携課には、看護の副部長を配置しています。これによって、看護の視点からの地域連携が可能になりました。

実際に、患者さんのことをよくわかっている看護の視点をもつ者が地域連携に携わることで活動の幅が広がっていますし、地域連携がより推進されていると感じています。

当院では、安心・安全な看護を目指して「ペア看護方式」を取り入れています。ペア看護方式とは、日々の看護を2人1組で行う方式です。ペア看護方式のメリットとして、先輩とペアを組むことで、新たに入職した看護師の不安の軽減につながる点が挙げられます。また、業務を補完しあえるので超過勤務時間も少なくなります。

さらに、2人で確認することでミスを防ぎ、より安全な医療サービスの提供につながるため、患者さんの安心にもつながります。

ただし、ペアといっても常に一緒にいるわけではなく、別々に業務を行うこともあります。相手に依存するわけではなく、互いに助け合う「パートナーシップ・マインド」を大切にしながら看護にあたっています。

横浜市立大学附属市民総合医療センター 看護部の皆さん
横浜市立大学附属市民総合医療センター 看護部の皆さん

当院の看護部には、若手からベテランまで幅広い年代の看護師が勤務しています。どの年代の看護師も皆、モチベーションが高い点が特徴のひとつです。特に、高度急性期医療を学ぶことを希望し入職する新採用者が多いです。

また、「一致団結できるマインド」をもつ点も特徴でしょう。苦難があっても個人プレーではなく団結力で乗り越えられる点は、看護部の強みだと思っています。

また、病院全体で協力体制が整っている点は、やりがいにつながっていると思います。

2015年に看護師を対象に行ったアンケートでは、以下のような結果がでました。

この結果から、忙しい毎日の中でも同僚や上司との関係が良好であることがわかっていただけるのではないでしょうか。

<院内満足度ランキング>

1位:同僚との関係がよい

2位:他職種との関係がよい

3位:自分に対する評価が妥当

4位:直属の上司との関係がよい

5位:やりがいを感じられる

当院の看護部は、看護師のキャリアアップを目指し、教育にも力を入れています。

研修の様子

研修の様子

研修の様子

当院では、2019年度より、看護師への教育プログラムであるYCU-N(Yokohama Career Up for NURSE)を実施していく予定です。YCU-Nとは、横浜市立大学による、ジェネラリスト育成を目的とした継続的なキャリア開発を目指すプログラムです。

具体的には、YCU-Nの3段階目までに基本的な看護の実践ができることを目指し、4段階目以降はそれぞれのニーズに応じたキャリア形成のためのプログラムを行っていきます。たとえば、ジェネラリストではなく、スペシャリストや管理者、教育者を希望する者の場合、4段階目以降にそれぞれの役割に応じた専門的な能力の修得を目指すことになります。

YCUーN 4段階評価

当院では、専門看護師や認定看護師の資格取得を目指す者も少なくなく、そのための進学もサポートしています。具体的には、勤務をしながら研修を受けることができるよう、勤務時間や勤務条件の調整や、授業料の支援などを行っています。取得後に現場で活躍してもらうことを想定し、積極的に支援するようにしています。

また、日本看護協会が行っている特定行為研修にも毎年派遣しています。参加者には、研修で学んできたことを実際の看護に生かしてほしいと願いながら、毎年送りだしています。

当院では、11の多職種チームが活動(2018年11月現在)しており、これらのチームに従事する看護師もいます。

  • 呼吸サポートチーム(RST)
  • リエゾンチーム
  • 栄養サポートチーム(NST)
  • 緩和ケアチーム
  • 院内感染コントロールチーム(ICT)
  • 褥瘡対策チーム
  • 災害派遣医療チーム(DMAT)
  • 横浜救急医療チーム(YMAT)
  • 災害派遣精神医療チーム(DPAT)
  • ハートチーム
  • ラピットレスポンスチーム(RRT)

たとえば、災害が発生した際に早急に出動し、現場で医療活動を行う災害派遣医療チーム(DMAT)や横浜救急医療チーム(YMAT)に参加するため、さまざまな研修を受けながら、救命救急センターに勤務し日々経験を積んでいる看護師もいます。

また、患者さんが急変しそうなときにアセスメントを行い、医師を呼ぶべきかこのままでよいのかを判断するラピットレスポンスチーム(RRT)では、チームの一員である集中ケア認定看護師とクリティカルケアの専門看護師がチームの中心としてチームマネジメントを行いながら第一線で日々活動しています。

当院では、産前産後休暇を取得し、働き続ける看護師も多いです。長いケースだと3年間の育児休暇を取得し復帰した看護師もいます。また、復帰後は、育児短時間勤務を利用することが可能です。

また、産前産後休暇や育児休暇中も学び続けられるようなしくみをつくっています。たとえば、休暇中に自宅で研修を受けることができるようweb研修を導入し、休暇中もキャリアアップのために学ぶことができるような環境を整えています。

鈴木看護部長

看護が好きで「成長したい」と望む方に入職していただきたいと思っています。

当院では、見学やインターンシップを随時受け入れています。入職前には、入職後のギャップをできるだけなくすために、見学またはインターンシップを経験したあとに入職していただいています。

お話ししたように、当院の看護部には、協力しあう文化があります。また、キャリアアップすることができるよう看護師の教育にも力を入れています。継続的に成長をサポートする環境がありますので、熱意のある方の入職をお待ちしています。

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