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鼠径ヘルニアの手術−腹腔鏡法で隠れたヘルニアも確実に治療

疾患啓発(スポンサード)

最終更新

2019/06/06

2019 年 06 月 06 日
掲載しました
鼠径ヘルニアの手術−腹腔鏡法で隠れたヘルニアも確実に治療
隅 健次 先生

ひらまつ病院 副院長

隅 健次 先生

目次
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鼠径ヘルニアの治療は、原則的に手術で行います。手術の術式には、従来から行われている「前方アプローチ法」と近年多くの施設が導入している「腹腔鏡法」の2つがあります。前方アプローチ法と腹腔鏡法にはそれぞれの特徴があり、各施設が患者さんの容体や状況に応じて使い分けています。

医療法人ひらまつ病院では腹腔鏡法による手術を積極的に行っており、初発例から再発例にいたるまで、多くの鼠径ヘルニアを治療しています。患者さんの希望に応じて、日帰り手術をすることも可能だといいます。ひらまつ病院副院長の隅健次先生に、鼠径ヘルニアの手術について実際の事例を交えながらご解説いただきました。

鼠径ヘルニアの手術の選択肢

メッシュを使う方法が主流

鼠径ヘルニアの手術の術式には、大きく分けて前方アプローチ法(従来から行われている、皮膚側から手術を行う方法)と、腹腔鏡法(腹腔鏡を用いて行う方法)の2種類があります。両者の特徴については後ほど詳しくお話しします。

どちらの術式にも、メッシュという人工の補強膜を用いる方法(以下、メッシュ法*)と用いない方法(以下、組織縫合法)があります。成人鼠径ヘルニアの手術の場合は、メッシュ法が主流になっています。

メッシュの一例

メッシュ法はさらに細かくLichtenstein法、Plug法、Bilayer法、TIPP法、Kugel法などに分類されますが、今回はすべてをメッシュ法として一括りにしています。

成人鼠径ヘルニアの手術でメッシュ法が主流な理由は、組織縫合法と比較して再発リスクが低いためです。鼠径部ヘルニア診療ガイドラインにも、「成人鼠径部ヘルニアに対して、原則的には組織縫合法は推奨できない」ということが明示されています。

ただし、メッシュは感染しやすく、嵌頓(かんとん)*などによって腸が壊死している場合にはメッシュ法が適応できません。このような場合には、組織縫合法を行うことがあります。

飛び出した腸がヘルニア門(内容物が飛び出す出口)にはまりこんで締め付けられ、元に戻らなくなった状態

鼠径ヘルニアの手術法1:前方アプローチ法

前方アプローチ法
前方アプローチ法

前方アプローチ法とは、前方から鼠径部の皮膚を5cmほど切開して、そこから手術する方法です。組織縫合法では、筋膜などの生体組織を縫い合わせて脆くなった部分を閉鎖します。メッシュ法の場合は、筋膜・筋肉の上あるいは腹膜の上にメッシュを置いて、筋膜の脆弱部を補強します。

鼠径ヘルニアの手術法2:腹腔鏡法

腹腔鏡法
腹腔鏡法

腹腔鏡法(腹腔鏡下手術)は、腹部に3か所の小さな穴(7mm程度の穴を2か所、15mm程度の穴を1か所)を空けて手術する方法です。3つのうち1つの穴から腹腔鏡(カメラ)を挿入して、お腹の中の様子をモニターに映し出します。そして二酸化炭素をお腹の中に注入して腹部を膨らませ(気腹操作)、モニターの画像を見ながら鉗子と呼ばれるマジックハンドのような器械(下図参照)を使って手術を行います。

腹腔鏡法も、メッシュを使用します。

実際の腹腔鏡
実際の腹腔鏡
腹腔鏡法で使用する鉗子
腹腔鏡法で使用する鉗子。先端が可動し、組織の把持・剥離が可能である。

腹腔鏡手術器具

腹腔鏡法のイメージ
腹腔鏡法のイメージ