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歩き方やつま先運動などの下肢静脈瘤の予防法

歩き方やつま先運動などの下肢静脈瘤の予防法
荻野 秀光 先生

成田富里徳洲会病院 院長

荻野 秀光 先生

目次
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職種や日常生活に起因することが多い下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)は、治療はもちろん、その予防も重要な観点となります。

本記事では、成田富里徳洲会病院の院長である荻野 秀光(おぎの ひでみつ)先生に、下肢静脈瘤の予防法についてお話を伺いました。

本記事の1ページ目で、静脈には常に負担がかかっている状態であると前述しました。これは職種にかかわらず、世の中の人全員にいえることですから、日頃から下肢静脈瘤についての知識を身につけ、予防を行うことは非常に重要であると考えています。

基本的には、下肢静脈瘤の予防は静脈の働きを害するような生活習慣を改めるということになります。要するに、静脈の働きを悪くする要因となる運動不足と筋力低下を防止し、それに加えて長時間の立ち仕事をしないということになります。

しかし、どれも年齢や職業によっては改善が難しいと思いますから、日常生活での意識が必要だといえます。

運動不足と筋力低下を改善するためには、ウォーキングを推奨します。しかし、ウォーキングといってもただ漫然と何も考えずに歩くのではなく、たとえば歩幅を靴1個分広げてみる、上り坂や上りの階段をウォーキングのメニューに組み込む、といった少しの負荷を加えることをおすすめします。

というのも、人間は平地を漫然と歩く際は“省エネ”で歩いています。できるだけ自分の筋力や体力を使わないように歩いているのです。そういうときは、関節の稼働が少なく、筋肉はあまり収縮していません。

足の静脈を支えている筋肉というのは、腓腹筋(ひふくきん)というふくらはぎの筋肉です。この筋肉を意識して歩こうと思うと歩幅が自然と大きくなりますから、いつもより歩幅を広げることで腓腹筋を使うことができます。上り坂や上りの階段でも、この腓腹筋を使わずに登ろうと思っても、足が前に出ないので登れません。ですから、ウォーキングにおいて万歩計をつけて歩数を増やすよりも、歩幅を広げる、上り坂や上りの階段を歩くなどして、ふくらはぎの腓腹筋の筋肉をちゃんと収縮させるように意識することが重要です。

高齢者や膝の関節が悪い、腰が痛くてウォーキングができないという方には、つま先立ち運動を推奨します。方法はいたって簡単です。椅子などに掴まって、かかとを上げるだけです。こうするとふくらはぎの腓腹筋が収縮しますから、下肢静脈瘤の予防につながります。これは膝が悪い方でもできるので、1日20〜30回行うことでも効果が期待できます。

血管の中の血液というのは循環しているので固まらないのですが、狭いところでずっと同じ体勢でいると、足の静脈に血栓ができて、血液が停滞し、固まりやすくなってしまいます。“エコノミークラス症候群”がそれにあたります。

これを予防するためにも、同じ姿勢で長時間過ごさないということはとても大事です。立ち上がったり、体操したりして、姿勢を変えていくことが必要になります。

下肢静脈瘤の治療では弾性ストッキングを着用しますが、予防の観点では、ドラッグストアなどで市販されている着圧ストッキングを着用することでも効果が期待できると思います。

着圧ストッキングというと足を細く見せるために履くというイメージが強いかもしれませんが、足の表面の静脈を圧迫することで逆流した血液が血管や皮膚に与えるストレスを軽減し、静脈瘤の悪化を予防する効果が期待できます。

また、着圧ストッキングは段階着圧といって、足首は一番圧力が高く、ふくらはぎ、太ももと上がるにつれてだんだんと圧力が弱くなっていきます。そうすると、少々の足の動きでも筋肉がぐっと萎縮するので、履いていることで全体的な働きが高まり、静脈へのサポート力が上がります。

立ち仕事などの仕事が下肢静脈瘤の原因になりうるとお伝えしましたが、だからといって仕事を辞めることは難しいでしょう。ですから、足の静脈の働きをサポートするような着圧ストッキングを履いて、予防的に圧迫療法をしながら日常生活を送るというのは、有効な選択肢の1つだといえます。私も長時間の手術の際は弾性ストッキングを着用しています。

当院では公開医療講座という形で、月に20回ほど講演会*(2020年2月現在)を開催しています。さまざまな病気を題材にお話ししていますが、そのうちの1つが下肢静脈瘤になります。誰もがなりうる病気だからこそ、正しい知識を皆さんに知っていただいて、治療予防に結びつけるという活動になります。

2019年9月1日には当院で健康フェスを開催し、私が登壇したのですが、その場でも下肢静脈瘤を含む血管の病気について公開講座を実施しました。

*現在の実態とは異なる場合があります。

下肢静脈瘤の治療として弾性ストッキングが有効というのは知られていますが、自分にはどのようなタイプのものがよいのか、実際にどうやって履いたらいいのかという点はあまり知る機会がありません。そういった点を指導するのが弾性ストッキングコンダクター(日本静脈学会認定)になります。当院には3名*(2020年2月現在)の専門家がおりますので、弾性ストッキングを正しく着用できるようにアドバイスできる体制になっています。

*現在の実態とは異なる場合があります。

下肢静脈瘤自体は生死に直結する病気ではありませんし、血管が浮き上がっているために視覚的に美しくないなどの理由だけだと、治療を躊躇することもあるでしょう。さらに外科を受診するとなると、大それた手術になるのではないか、手術自体が怖いといった懸念があると思います。

しかし、下肢静脈瘤はむくみなどの症状や美容的な観点で、患者さんの日常生活に大きな影響を与える病気でもあります。手術をせずとも、弾性ストッキングの着用といった保存的な治療法も選択できますし、予防法を指導することも可能ですから、足の血管でお悩みや、少しでも心配な症状があれば、まずは検査を受けて、ご自分の血管の状態を知る機会を設けていただきたいと思います。

私が皆さんにお伝えしたいことは、ためらわず、まずは1回受診していただきたいということです。

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