編集部記事

胸郭出口症候群ではどんな治療をするの?~リバビリや薬の使用が中心に行われる~

胸郭出口症候群ではどんな治療をするの?~リバビリや薬の使用が中心に行われる~
國吉 一樹 先生

流山中央病院 院長

國吉 一樹 先生

目次
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胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)とは、胸郭出口(首から肩にかけての部分)にある神経や血管が圧迫される病気を指します。主な症状は肘から先の小指側に、うずくような痛みや刺すような痛み、しびれを感じるほか、握力低下や細かい作業がしにくくなることがあります。このような症状が続くと日常生活に支障をきたす可能性もあるため、早めに治療を受けることが大切です。

症状が比較的軽い場合は、特別な治療はせずに姿勢を正したり腕や肩に負担をかける動作を避けたりするほか、リハビリテーションを行うなどが検討されます。しかし、症状が強い場合には手術が行われることもあります。本記事では、胸郭出口症候群の治療について詳しく解説します。

胸郭出口症候群の治療は、理学療法や薬物治療から始まり、症状が強い場合などには手術を検討することもあります。それぞれの治療法の詳細は以下のとおりです。

理学療法とは、運動機能の維持や改善をするために、運動を行う(ストレッチや筋力トレーニングなど)や器具を装着させるなどの物理的な方法を用いて行う治療法のことです。胸郭出口症候群の症状が軽い場合は、上肢や肩甲骨周辺を吊り上げる僧帽筋や肩甲挙筋といった筋肉の強化を目的に、ストレッチなどが行われることがあります。また、肩甲骨が下がってしまう場合は、肩甲骨周辺を挙げる器具を使って姿勢を矯正することもあります。

薬物療法では、症状を軽減させるために薬を使用します。具体的には、消炎鎮痛剤や血流改善剤、ビタミン剤などがあります。

症状が強い、手が上手に動かせない、頚肋(けいろく)が原因で生じている場合は、手術が検討されることがあります。頚肋(けいろく)とは胎児のときに存在し、のちに消失するはずの肋骨(ろっこつ)が残ったままになっているものです。手術法は頚肋の有無によって異なります。

頚肋がある場合の手術

頚肋が存在すると神経や血管がよりいっそう圧迫されやすいといわれています。そのため、頚肋がある場合は鎖骨の上からメスを入れ、頚肋の切除を行います。

頚肋がない場合の手術

頚肋がない場合は、上肢や肩甲骨の動き・感覚をつかさどる腕神経叢(わんしんけいそう)と鎖骨下動脈が圧迫されたりしめつけられたりすること(絞扼(こうやく))が病気の原因として考えられます。そのため、どの部分で絞扼されているかによって手術の方法が異なります。

まず、前斜角筋と中斜角筋(首から肩にかけての筋肉)の間で神経と血管が圧迫されている場合は、鎖骨の上からメスを入れ、前斜筋腱を切り離します。また、鎖骨と肋骨の一番上の骨の間で圧迫されている場合は、(わき)の下または鎖骨の上からメスを入れ、一番上の肋骨を切除します。ただし、これらは圧迫場所の区別が難しいことがあるため、前斜筋腱の切り離しと同時に肋骨を切除することもあります。そのほか、小胸筋という腋のあたりの筋肉と肩甲骨が接している部分周辺で圧迫されている場合は、鎖骨の下からメスを入れ、小胸筋腱を切り離します。

治療の一環として、日常生活の中でできる対策もいくつかあります。基本的に上肢や肩甲骨などに負担をかけないことが大切であるため、以下のようなことに気を付けるとよいでしょう。ただし、いずれも医師の指示に従って行うようにしましょう。

  • 洗濯物を干すなど、手を上に挙げた状態での作業を避ける
  • 重いものを持ち上げるような運動や作業を避ける
  • リュックサックなどで重いものを担がない

また、症状が軽い場合は上肢や肩甲骨を吊り上げる僧帽筋や肩甲挙筋といった筋肉を強化するために、適度な運動やストレッチを行うのもよいでしょう。

胸郭出口症候群の治療は理学療法や薬物治療が中心となりますが、人によっては手術が検討される場合もあります。また、予防や悪化防止のためには、肢や肩甲骨の動き・感覚をつかさどる神経や血管が圧迫される原因を取り除くことが重要です。発症後、症状が軽い場合にはストレッチなどが有効な場合もありますが、必ず医師の指示にしたがって適切に行うようにしましょう。

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