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手根管症候群と鑑別すべき病気について

手根管症候群と鑑別すべき病気について
國吉 一樹 先生

流山中央病院 院長

國吉 一樹 先生

目次
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手のしびれを感じる病気には、手根管症候群をはじめ、首の病気である頚椎症頚椎椎間板(けいついついかんばん)ヘルニア()、首から手指まで幅広い症状が出る胸郭出口症候群など、さまざまなものがあります。診断が遅れると治療が難しくなるケースもあることから、手の症状が気になるときは手外科専門の医師に相談することが重要だと、流山中央病院院長の國吉 一樹(くによし かずき)先生はおっしゃいます。

今回は、手根管症候群の類似疾患や早期治療の重要性について、國吉先生に伺いました。

手のしびれが現れる病気には、『手指のしびれや痛みを引き起こす手根管症候群とは?』『手根管症候群の治療について——保存療法、手術療法』で述べてきた手根管症候群のほか、次のようなものがあります。適切な治療を行うためには、専門の医師にかかって診断を受けることが重要です。

頚椎とは、7つの椎骨(ついこつ)と椎間板がつながって構成されている部分で、背骨の最上部にあたります。頚椎症は、椎骨や椎間板が加齢に伴って少しずつ変形することにより、背骨の中の空間(脊柱管)(せきちゅうかん)にある脊髄(せきずい)や神経根が圧迫される病気です。脊髄が圧迫されると、手足のしびれや歩行障害が出たり、手を使う細かい動作が鈍くなったりします。神経根がダメージを受けると、主に片側の首から手にかけてのしびれや痛みが生じます。

頚椎椎間板ヘルニアは、上下の頚椎を支える役割を担う椎間板という組織が変性して飛び出し、脊髄や神経根を圧迫する病気です。頚椎症と同じような症状が現れます。

胸郭出口は、首と胸の間にある神経と血管の通り道です。この神経や血管が何らかの異常によって締め付けられることで、手や首、肩、腕に痛みやしびれが生じる状態を胸郭出口症候群といいます。若い女性で、なで肩の体型の方に多くみられる病気です。症状が強く現れる患者さんが多く、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。痛みのために仕事や外出が難しくなり、引きこもりのような状態になってしまうことも少なくありません。

胸郭出口症候群は、手術することで症状の改善が期待できます。当院では小学生から高校生など若い方の手術にも対応しています。また、腕を上げる動作で症状が引き起こされるため、重い物を持ち上げる運動や、腕を上げた状態での動作を必要とする仕事などを避けることが予防につながります。

手指に痛みが生じる病気としては、指の付け根に痛みや腫れが起こるばね指、親指に力のかかる動作をすると強く痛む母指CM関節症などがあります。特に母指CM関節症は、寝付けないほど強い痛みが出ることがあるため、きちんと治療をして痛みを取ることが重要だと考えています。

ところが、母指CM関節症は加齢による病気ということもあり「手術しても治らない」と言われた経験のある患者さんや、なかなか診断がつかずに諦めていたという患者さんもいらっしゃるようです。手外科を専門とする医師にとってはありふれた病気の1つであり、適切な治療をすれば症状の改善が期待できますので、一度専門の医師に相談することをおすすめします。

私の母校である千葉大学整形外科と、私が代表世話人を務め、手外科を専門とする医師が集う“千葉手・肘の外科研究会”は、千葉県内に勤める手外科医に対して手術手技の教育を行うワークショップを共同で開催しています。同大の手の外科グループでは、手根管症候群をはじめとした手の病気について研修医を指導する際、ご献体を用いたトレーニングを実践してきたことから、ワークショップでもご献体を用いた講義と実技に力を入れています。

ご献体を用いたトレーニングでは、通常の手術では見ることが難しい部分も確認できる点が特徴です。たとえば、頚部〜鎖骨部で神経が複雑に枝分かれしている部分(腕神経叢(わんしんけいそう)()を一つひとつ観察することが可能であるため、手外科の診療において欠かせない解剖学的な知識の向上に役立ちます。

千葉県内の手外科医は、日々の手術に加えて、さらに知識や手技を深く学べるワークショップに参加することで研鑽を積んでいます。当院でもこの流れを汲んで技術向上にまい進し、千葉県流山市を中心とした地域の手外科診療に貢献しています。

当院を訪れる患者さんの中でも特に若い方は、インターネットなどでよく調べて病名を予想して来られることがあります。病気を早期発見するために重要な行動である一方、インターネットを見るだけでは収集できない情報もあります。ある病気の患者さんが、どのような治療をするとどのような経過を辿るのかということは、経験が豊富な医師だからこそ分かることです。手根管症候群に関しては、日本手外科学会手外科専門医のような治療の経験を積んでいる専門医に直接話を聞くとよいでしょう。そして、自分の病気のことをよく知ったうえで、これからどのような治療をしていくか検討していただければと思います。

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