ぼししーえむかんせつしょう

母指CM関節症

最終更新日:
2020年12月18日
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2020/12/18
更新しました
2020/11/17
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概要

母指CM関節症とは、親指の付け根の関節(CM関節)に生じる変形性関節症の一種です。親指を酷使するような動作を繰り返したり、年齢を重ねたりしてCM関節を構成する骨と骨の間にある関節軟骨が摩耗することで発症します。

発症すると、瓶の蓋を開ける・物をつまむなど親指に力が入る動作をすると親指の付け根に痛みが走るようになります。安静にすれば痛みは治まりますが、進行すると安静にしていても痛みが生じ、関節が腫れる・変形するなどの症状が現れるようになります。

多くは鎮痛剤やテーピングなどを行えば症状は改善しますが、重度な変形や痛みがある場合は手術が必要になることも少なくありません。

原因

母指CM関節症は、親指の付け根である“第1手根中手骨関節”の関節軟骨がすり減り、骨同士の摩擦が起こることが根本的な原因とされています。

関節軟骨がすり減る原因としては、親指を多く使う作業による関節の酷使、加齢などが挙げられますが、原因がはっきりしないケースも少なくありません。

また、この病気は閉経後の女性の発症頻度が高いことが分かっており、女性ホルモンの減少が発症に関与しているという説もあります。

症状

母指CM関節症を発症すると、物をつまんだり瓶の蓋を開けたりする際に親指の付け根に痛みが生じるようになります。軽症な場合は親指をできるだけ使わずに安静にしていれば自然と治りますが、進行すると親指の付け根を押すと強い痛みが生じる、動かしていなくても痛みや熱感などがあるといった症状が現れます。

さらに進行するとCM関節が脱臼(あだっきゅう)を引き起こし、親指が外側に開きにくくなります。また、親指の付け根が手のひら側に入り込み、親指が外側に向かって伸びる“白鳥の首”と呼ばれる変形が生じることが特徴です。

検査・診断

母指CM関節症が疑われた場合は次のような検査が行われます。

画像検査

発症すると、X線写真では関節を構成する骨と骨の隙間が狭くなっている・亜脱臼を起こして変形しているといった変化が確認されます。そのため、母指CM関節症の診断のためにはX線検査を行い、さらに詳しく関節の状態を調べる場合にはCTやMRIによる検査が行われます。

血液検査

母指CM関節症は、リウマチによる関節の炎症と似た症状が現れます。この病気とリウマチの鑑別を行うには、リウマトイド因子の有無などを調べてリウマチを発症していないことを確認する必要があります。

また、血液検査で炎症の程度を調べることで重症度を評価することも可能です。

治療

母指CM関節症の治療は、痛みを和らげるための鎮痛剤や湿布などを利用した対症療法が基本です。多くは、対症療法を行って関節を安静に保てば自然に改善していきます。

しかし、痛みが頻繁に起こる場合は関節を動かしにくくする装具の装着やテーピングなどを行う必要があります。また、関節内の炎症が強く痛み・腫れ・熱感・発赤などがある場合は、炎症を鎮めるステロイドを関節の内部に注入する“関節内注射”が必要になることもあります。

また、これらの対処療法や関節の固定を行っても十分な効果がない場合や親指の付け根が変形している場合には、関節を固定したりダメージを受けた骨の一部を切除したりするための手術が必要となります。

予防

母指CM関節症は、親指を捻ったり、親指に力を入れたりするような動作を繰り返すことも発症原因の1つです。

そのため、この病気の発症を予防するには家事や仕事などで親指を酷使する動作を減らす必要があります。特に閉経後の女性は発症率が高いため、注意が必要です。

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