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閉経

子宮

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概要

加齢とともに卵巣の活動性が次第に低下し、月経が永久に停止することを閉経といいます。日本人女性の平均閉経年齢は49.5±3.5歳、中央値は50.5歳と報告されています。

40歳より前に閉経が起こる場合を早発閉経といいます。閉経の年齢には大きな幅があり、40歳台から閉経する方もいれば60歳近くまで月経がみられる方もいます。

また、閉経前後5年間を更年期といいます。この期間に現れる多種多様な症状のなかで器質的な変化によらない症状を更年期症状といい、それらの症状のなかで日常生活に支障を来す病態を更年期障害といいます。

原因

閉経が起こる原因

卵巣には原子卵胞という成熟卵胞のもとになる幼若な卵胞があります。この数は、胎児期には約700万個ありますが、出生時には約200万、初経期に約30万と減少していきます。

さらに、30台後半には約25000個となり、その後急速に減少して50歳ではほぼ消失します。これに伴う卵巣からのエストロゲンの減少・欠乏により閉経が起こります。

閉経に至る年齢は初経の年齢や人種、妊娠の回数、経口避妊薬(ピル)の使用などとはあまり関連しないといわれています。

更年期症状との関連

また、卵巣機能の低下によるホルモン分泌の低下は更年期症状の原因ともなります。しかし更年期症状は卵巣機能低下だけではなく、社会的要因や心理的要因もその原因となります。

社会的要因とは患者さんを取り巻く環境です。具体的には子どもや夫などの家族との関係、親の介護、自身の仕事、人間関係などもその発症に影響を与えるといわれます。

また心理的要因(真面目・几帳面など性格面の特徴)も更年期障害の発症と関連があるとされます。

症状

閉経すると月経による出血はなくなります。閉経後に性器出血があった場合には、一度産婦人科を受診することをお勧めします。

また、閉経に伴い現れる症状には下記のようなものがあります。いずれもエストロゲンの分泌の低下によるものです。エストロゲンは全身組織に対してさまざまな影響をもつホルモンであるために、その減少による症状は多岐にわたります。

  • 更年期障害(肩こり、易疲労感、頭痛、のぼせ、腰痛、発汗など)
  • 脂質異常症
  • 動脈硬化
  • 心血管疾患(高血圧、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞)
  • 骨粗しょう症
  • 泌尿器や生殖器の萎縮

など

検査・診断

12か月以上月経がなければ閉経を迎えたと診断されます。

子宮を摘出した後などで月経症状による判断ができない場合には、「血中卵胞刺激ホルモン(FSH)値が40mIU/ml以上、かつ、血中エストロゲン値が20pg/ml以下」であれば閉経後であると判断されます。

ただし、血中のFSHやエストロゲンの値の変化はさまざまであるといわれ、これらの値をもとに閉経がいつごろ来るのかを予測するのは難しいといわれています。

他にも抗ミュラー管ホルモン(AMH)という、卵巣の予備能の指標であるとされるホルモンを計測することにより閉経(特に早発閉経の診断に)を予測するということも試みられていますが、しっかりとした診断基準はありません。

治療

エストロゲン欠乏を補う目的でエストロゲン・プロゲスチンを投与する治療法をホルモン補充療法(HRT)といいます。

HRTの目的にはエストロゲンの減少や欠落に基づく症状を緩和・予防することにあります。更年期症状、骨粗しょう症、泌尿器や生殖器の症状の緩和(萎縮性膣炎や膣内乾燥、性交痛など)などが期待できます。

しかし、乳癌や子宮体癌の前がん病変である子宮内膜増殖症、原因不明の子宮出血といった、エストロゲンにより悪化する可能性のある悪性腫瘍のある方には、ホルモンを投与することができません。血栓静脈炎や血栓症、肝機能異常がある場合も投与は避けます。

また、子宮筋腫や子宮内膜症、重度の高血圧、糖尿病、子宮体癌の既往に対しても薬剤の投与は慎重になされます。加えて、喫煙も禁忌です。

ホルモン剤を使用しない治療もあり、特に漢方療法は広く使われています。当帰芍薬散・加味逍遥散・桂枝茯苓丸の3剤は更年期症状に対して広く使われています。

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