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閉経

最終更新日
2024年03月19日
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2024/03/19
更新しました
2021/05/31
更新しました
2017/04/25
掲載しました。

概要

閉経とは卵巣の機能が消失または減退し、月経が完全に止まった状態のことです。1年以上月経がない状態が確認された時点で、1年前の最後の月経があった年齢を閉経年齢とします。閉経する年齢には個人差があります。早くて40歳代前半、遅くても50歳代後半には閉経を迎え、日本人では約50歳前後で多くの人が閉経します。

多くの場合は閉経が近付くにつれて月経周期が短くなる、月経がない月があるなどの月経異常が見られます。ただし、これも個人差が大きく、中には閉経を迎えるまで月経周期が一定の人もいます。

また、閉経を中心とした前後10年間を更年期と呼びます。更年期では女性ホルモン濃度が大きく変化しながら低下していくため、月経異常を含めさまざまな症状がみられるようになります。特に症状が重く生活に支障をきたす場合は更年期障害と呼ばれ、薬物治療などを行うこともあります。

原因

閉経は、卵巣からエストロゲンやプロゲステロンなど女性ホルモンの分泌が停止することにより起こります。これらのホルモンの分泌は20歳代~30歳代にピークを迎え、40歳代に入ると急激に低下します。

一方で、40歳未満の人でも卵巣機能が低下して閉経に至る場合があり、このような場合を早発卵巣不全(Premature Ovarian Insaficiency:POI)と呼びます。早発卵巣不全の原因として、染色体異常自己免疫疾患、代謝性疾患、卵巣の外科的切除、放射線治療や抗がん薬治療などがあげられますが、多くの場合は原因不明です。

また、エストロゲンの急激な減少に伴いみられるようになるさまざまな症状を更年期症状と呼びます。更年期症状が重く日常生活に支障をきたす状態を更年期障害と呼びます。

症状

月経が永久に停止した状態を閉経といいます。閉経の数年前から月経不順が起こり、月経周期が短くなったり、月経の間隔が空いたりします。

閉経の前後数年程度の間は、女性ホルモンの低下に伴って、月経の停止以外に更年期症状と呼ばれるさまざまな症状が現れます。代表的な症状として、ほてり、のぼせ、ホットフラッシュ、発汗といった血管の拡張と放熱が関わる症状、気分の落ち込み、いらいら、情緒不安定などの精神症状、めまい、動悸、胸の締めつけ感、頭痛、肩こりなどのさまざまな身体症状があげられます。症状の種類や程度は極めて多種多様で、日常生活に支障をきたすほどの症状が現れる人もいれば、更年期症状そのものがない人もいます。

最近では、睡眠時無呼吸症候群との関連性についての研究データもあり、閉経後女性の約1割に中等症以上の睡眠時無呼吸症候群の発症が認められたという報告もあります。

検査・診断

月経がない状態が12か月以上続いた時点で、1年前の最終月経をもって閉経と判断します。通常の閉経では診断のために特別な検査は行いませんが、比較的若い年齢で閉経の疑いがある場合などは、血液中のホルモン濃度を調べることで閉経を迎えているか知ることができます。

治療

通常の閉経に対しては特に治療は行われません。しかし、更年期障害がみられる場合にはホルモン薬や漢方薬などによる治療を行うことがあります。

また、40歳未満でみられる早発卵巣不全の場合は妊孕性(にんようせい)妊娠する能力)を温存するための治療や、早期に女性ホルモンが不足することによる病気のリスクを下げるための治療を行うことがあります。

早発卵巣不全の治療

通常の閉経は妊孕性の消失を意味しますが、早発卵巣不全の場合は妊孕性を回復できることがあります。

妊娠を希望する場合は、エストロゲンを補充することによって卵胞刺激ホルモンFSH)を低下させ、卵胞機能を改善させることで排卵の再開を目指します。また、自己免疫疾患などの病気が原因で早発卵巣不全が生じている場合は、原因疾患の治療を行います。

妊娠希望がない場合でも、早発卵巣不全によって骨粗鬆症、冠動脈疾患などの病気のリスクが高くなります。エストロゲンやプロゲステロンの補充を50歳前後まで続けることで、これらの病気の発症を予防できる可能性があります。

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