そうはつらんそうふぜん

早発卵巣不全

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

早発卵巣不全とは、一般に40歳未満で月経が来なくなってしまう状態のことを指します。同様の状態を指す診断名として早期卵巣不全、早発閉経、ゴナドトロピン抵抗性卵巣症候群などが挙げられますが、すべてにおいて明確な診断基準が確立されているわけではなく、しばしば混同されています。日本産科婦人科学会では早発閉経を「43歳未満での閉経」と定義しています。

原因

ほとんどの場合、原因不明ですが、家族性発症、自己免疫疾患(甲状腺機能異常、糖尿病、全身性エリテマトーシスなど)、ホルモン産生卵巣腫瘍ガラクトース血症(軽症)、FSH卵胞刺激ホルモン)受容体異常などが原因となることもあると考えられています。

また、卵巣に対する手術やがん化学療法、放射線治療、免疫抑制剤によるものもあるといわれています。そのため、家族に同じような方がいたか、これまでの病歴・治療内容(特に抗癌剤などの化学療法、放射線治療、卵巣の手術など)、家族歴(病歴など)などの問診が重要です。

症状

必ずみられる症状は無月経です。40歳未満で月経がこなくなってしまった場合には、早期卵巣不全を考えます。このほかに自覚症状が生じることはほとんどありませんが、無月経が不妊症と関連するケースもあります。また、女性ホルモン(エストロゲン)が同年代の女性に比べて少ない状態が長期間続くことで、いわゆる更年期障害の諸症状がみられる場合や、骨粗鬆症のリスクが上昇する場合があります。

更年期障害の代表的な症状は、以下のような血管運動神経症状や精神神経症状が挙げられます。

血管運動神経症状

  • 顔のほてり
  • のぼせ
  • 異常な発汗
  • 動悸
  • めまい

など

精神神経症状

情緒不安

  • イライラ
  • 抑うつ気分
  • 不安感
  • 不眠
  • 頭の重い感じ

など

またそのほかの症状として、腰痛、関節痛、食欲不振皮膚の乾燥感やかゆみなど多様なものが挙げられます。ただし、この必ずしもこれらすべてが現れるわけではなく、自覚する症状とその組み合わせは一人ひとり異なります。

検査・診断

問診に加え、妊娠していないことを確認したうえで、血液検査により内分泌検査(ホルモン値)を行います。具体的には、LH(黄体ホルモン)、FSH卵胞刺激ホルモン)、PRL(プロラクチン)、E2(エストラジオール)などを測定します。この結果により早発卵巣不全が強く疑われる場合は、さらに甲状腺機能、血糖検査、抗核抗体や抗DNA抗体検査を行います。

治療

治療内容は、その時点で妊娠を希望しているかどうかによって大きく変わります。妊娠を希望している場合、妊娠の確率を上げるための治療を行います。一般的には、排卵誘発を目的としたホルモン療法(内服薬の服用や注射剤の投与)が行われます。

妊娠を希望していない場合には、女性ホルモンの不足による骨粗しょう症更年期障害のリスクを下げることを治療目的とします。この場合、ホルモン補充療法を一般女性の閉経年齢まで継続することが多くなっています。なお、早発卵巣不全の原因としてほかの疾患(甲状腺機能異常や糖尿病を含む自己免疫疾患、ホルモン産生卵巣腫瘍ガラクトース血症など)がみつかった場合には、その疾患に対する治療が優先されます。

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