むげっけい

無月経

最終更新日:
2024年08月19日
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2024/08/19
更新しました
2017/04/25
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概要

無月経とは、月経(生理)が一度も来ない状態、あるいはこれまで来ていた月経が止まった状態をいいます。

通常、初めての月経(初経)は18歳までに生じ、その後閉経までの間、25~38日ほどの周期で月経が来ます。しかし、人によっては18歳になっても月経が来なかったり、一度来た月経がある日突然止まったりします。

種類

無月経には、妊娠や出産・閉経による“生理的無月経”とそれ以外の“病的な無月経”があり、生理的無月経は体の正常な作用といえます。病的な無月経は、原発性無月経と続発性無月経に分けられます。

原発性無月経

18歳を過ぎても初めての月経(初経)が来ないことを原発性無月経といいます。生じる頻度はごくまれで、0.3〜0.4%といわれています。日本では平均して12歳ごろに月経が始まりますが、16歳になっても初めての月経が来ない場合は、医療機関の受診を検討するとよいでしょう。

続発性無月経

続発性無月経とは、これまで月経が来ていたにもかかわらず、3か月以上止まった状態をいいます。月経のある人であれば、思春期から閉経期までのさまざまなライフステージで生じる可能性があります。

原因

原発性無月経と続発性無月経の原因はそれぞれ異なります。

原発性無月経

染色体異常や遺伝子異常、腟や子宮など生殖器の形態異常、脳から分泌される卵巣を刺激するホルモンの異常など、生まれつきの異常が原因となって生じます。

続発性無月経

頻度の高い原因としては、無理なダイエットや肥満、ストレス、環境の変化などによる女性ホルモンのバランスの乱れが挙げられます。

比較的頻度の低い原因としては、女性ホルモンに関わる脳下垂体の腫瘍(しゅよう)などの病気が挙げられます。

症状

生理が一度も来ない、あるいはこれまで来ていた生理が来なくなります。一度も生理が来ない原発性無月経の場合は、通常、乳房の発達などの二次性徴もみられません*

また無月経の人のほとんどは卵巣からの排卵がないため、妊娠に至りません。加えて無月経が長い期間続くと女性ホルモンのバランスが乱れた状態が続き、閉経後に起こり得るような体のほてり、腟の乾燥、骨密度の低下、心臓・血管の病気のリスク上昇などが生じる可能性があります。

*子宮欠損やアンドロゲン不応症のような性分化異常などを除く。

検査・診断

原発性無月経と続発性無月経のどちらにおいても、まずは問診を行い、本人の健康状態や生活習慣、かかったことのある病気、家族がかかったことのある病気などについて確認します。そのほか、血液検査や画像検査などを行います。

血液検査では、卵巣ホルモン、下垂体ホルモン、甲状腺ホルモンといった女性ホルモンに関連するホルモンの状態を確認します。画像検査としては、超音波検査やMRI検査などが検討されます。

原発性無月経

原発性無月経の場合、18歳になるまでは診断できませんが、検査や治療を行うために16歳ごろから婦人科の受診が推奨されます。ホルモン検査に加えて染色体検査が検討されることがあるほか、二次性徴の有無なども確認します。

続発性無月経

血液検査で女性ホルモンに関連したホルモンの状態を確認した後、女性ホルモンであるプロゲステロンを単独、あるいはプロゲステロンとエストロゲンの2つを投与し、子宮からの出血があるかどうかを確認します(ホルモン試験)。

プロゲステロンのみの投与で出血が生じるものを“第一度無月経”、プロゲステロンとエストロゲンの併用投与で出血が生じるものを“第二度無月経”と呼び、これらの結果が続発性無月経の重症度や原因を調べるうえで役立ちます。

治療

無月経の治療は、原発性無月経と続発性無月経のどちらであるか、また患者の希望によって異なります。

原発性無月経

原因に応じて手術治療やホルモン療法などを検討します。

たとえば、処女膜や腟が閉鎖しているために無月経となっている場合には手術治療を、ホルモン系統に異常が生じている場合にはホルモン療法を検討します。

治療によって二次性徴を促し、定期的に月経が来て妊娠・出産できる体を目指しますが、原因によっては対応が困難なケースもあるため精神的なサポートも大切です。

続発性無月経の場合

無理なダイエットや肥満、ストレス、環境の変化などが原因であれば、ホルモン療法とカウンセリングを組み合わせます。下垂体腫瘍などの病気が原因で生じている場合は、病気に対する治療を行います。

妊娠をすぐに希望している人に対しては、排卵誘発薬による薬物療法を行い、妊娠を促すこともあります。

患者の年齢や希望に応じて治療内容が異なる場合もある

無月経に対する治療は年齢や希望によって方針が異なる場合もあります。

たとえば、思春期や閉経前後は生理の周期が乱れやすい傾向にあるため、このような場合には積極的な治療を行わずに様子を見て、症状に対する治療を検討します。

セルフケア

16歳ごろまでに初めての月経が来なければ、医療機関を受診するとよいでしょう。生理があるものの周期が不安定な人は、生理の周期を正しく記録したり、基礎体温表を作成したりするなどしたうえで受診するとよいでしょう。

続発性無月経はストレスなどが原因となって生じることもあるため、ストレスをためすぎず、規則正しい生活を心がけることも大切です。無理なダイエットは無月経の原因となり、月経の回復が困難な場合が多いため、過度な痩せ願望を取り払って健康的な体型を目指すことが求められます。

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