ひふのかんそう

皮膚の乾燥

最終更新日:
2021年08月31日
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2021/08/31
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概要

皮膚の乾燥とは、皮膚のもっとも表層にある皮脂膜、角層にある天然保湿因子、角質細胞間脂質など皮膚のバリア機能を担う物質が失われることで、皮膚内部の水分が失われた状態になることを指します。

私たちの健康な皮膚は弾力性があり表面はなめらかです。皮膚は表面から表皮・真皮・皮下組織から構成されており、さらに表皮は角層・顆粒(かりゅう)層・有棘(ゆうきょく)層・基底層の4つの層に分けられます。角層は、細胞が積み重なった構造をしており皮膚の深層を守るはたらきがあり、もっとも表層にある皮脂膜は皮膚の内部から水分が蒸発するのを防いでいます。

皮膚の乾燥は単に見た目がカサカサした状態になるだけでなく、悪化するとヒリヒリ感やかゆみを引き起こすことがあります。また、乾燥した皮膚がフケのように剥がれ落ちることもあります。そして、この皮脂膜や角層の構造が乱れることでバリア機能が損なわれ、皮膚の感染症などのリスクも高くなるため、できるだけ早い対処が必要です。

原因

皮膚の乾燥は、皮膚表層の皮脂膜、角層にある天然保湿因子、セラミドなどの角質細胞間脂質からなる皮膚のバリア機能が損なわれ、内部の水分が蒸発することによって引き起こされます。

これらの物質が失われる原因として、加齢、空気の乾燥、紫外線のダメージなどのほか、過剰な摩擦、熱すぎる湯船温度、不健康な食生活、ストレスなど好ましくない生活習慣が原因となるケースもあります。また、アトピー性皮膚炎などの皮膚の病気により乾燥が生じる場合もあります。

症状

皮膚の乾燥は皮脂腺の少ない腕や脚で生じやすく、皮脂腺が多い頭や顔のTゾーン、(わき)などでは生じにくいことが特徴です。

皮膚が乾燥すると、カサカサした肌触りになり、皮膚がつっぱるなどの不快な症状が現れます。また、化粧崩れを起こしやすくなったり、にきびの原因になったりすることもあります。

皮膚の乾燥は“見た目”の変化は認められなくても、バリア機能が低下することで衣類やマスクなどの些細な刺激でヒリヒリ感やかゆみ、痛みなどが生じてしまう、いわゆる“敏感肌”を引き起こすこともあります。 乾燥がひどくなると皮膚がフケのように剥がれ落ちる・ひび割れるといった症状や、皮膚の感染症を引き起こすこともあります。

検査・診断

皮膚の乾燥は、皮膚の状態を観察することや触診をすることで診断が可能です。そのため特別な検査をすることはほとんどありません。

一方で、アトピー性皮膚炎などの病気が原因で皮膚が乾燥していると考えられる場合は、血液検査などを行うことがあります。

治療

皮膚の乾燥は、基本的に皮膚に潤いを与える保湿剤を用いた治療が行われます。

保湿剤の成分は、皮膚表面に油膜を作り水分蒸散を防ぐ白色ワセリン、スクワランやそれ自体が保湿成分となる尿素、アミノ酸、ヒアルロン酸ナトリウム、グリセリン、セラミドなどが含まれた保湿剤が推奨されます。

また洗顔後は、角層から保湿成分が流出しやすくなるため、なるべく5分以内に保湿をしましょう。保湿剤は複数のものを併用することで、保湿効果が高くなるので化粧水、美容液、乳液やクリームなどを重ねて塗りましょう。

多くは保湿剤を使用することで徐々に改善していきますが、重症な場合には保湿剤のみでは改善しないこともあります。特に、かゆみが強いケースや湿疹などができているケースでは炎症を抑えるステロイドの塗り薬やアレルギー反応を抑える飲み薬が必要となることもあります。

予防

皮膚の乾燥は、環境や好ましくない生活習慣が原因で引き起こされることが多いとされています。加齢、空気の乾燥など避けることができない要因がある場合は、皮膚の乾燥が生じてしまう前に保湿剤で皮膚に潤いをプラスするようにしましょう。特に入浴後は保湿成分が洗い流された状態になるため、なるべく早めに保湿をすることが大切です。

また、皮膚の擦りすぎや熱すぎるお湯を避け、規則正しい生活を送ることも皮膚の乾燥を防ぐことにつながります。

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