原因
じん肺は土ぼこりや金属、鉱物の粉塵などを長年吸入し続けることで発症し、中でもアスベストが原因となるものが有名です。アスベストは断熱材や防音材として建築物に使用されていた過去があります。今では使用禁止となっていますが、古い建築物の解体現場などではまだまだ飛散の懸念があります。
アスベストはとても小さな線維性成分であり、体内に取り込まれると肺の奥深くまで潜り込みます。肺に取り込まれたアスベストは、異物として体外に出されますが、完全に除去されることはありません。そのため慢性的に炎症反応が繰り返されることになり肺の組織が障害を受け、肺がんや悪性中皮腫などを発症することになります。
アスベスト以外にも同様に肺障害を引き起こす物質はあります。たとえば、自然界に大量に存在する“シリカ(遊離ケイ酸)”という物質です。シリカの結晶は石英と呼ばれ、コンクリートや塗料、研磨剤に含まれており、アスベスト同様に非常に小さい物質です。工事現場や建設現場で曝露されるとシリカは肺の中に入り込み、慢性的な線維性増殖性病変を引き起こします。
そのほかにタルク、セメント、アルミニウム、酸化鉄、ケイ酸、黒鉛、カーボンブラックなど、数多くの物質がじん肺の原因になることが知られています。いずれも肺に取り込まれ、肺に長年にわたる障害をもたらすことになります。
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