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はいがん

肺がん

最終更新日
2020年07月27日
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2020/07/27
更新しました
2020/07/22
更新しました
2017/04/25
掲載しました。

概要

肺がんとは、肺に発生するがんのことです。全身を流れた血液は心臓へ戻り、さらに肺へ流れていくため、肺は大腸や肝臓、乳房などさまざまな部位に発生するがんが転移しやすい臓器でもあります。肺がんといえば、ほかのがんの転移によって生じるものではなく、最初に肺にできるがん(原発性肺がん)のことを指すことが一般的です。

肺がんは60歳以降の男性に多く見られるがんで、早期段階では自覚症状がないことも多いため進行した状態で発見されるケースが多いとされています。近年では年間約7万人以上が肺がんで亡くなっており、全てのがんの中でもっとも死者数が多いがんでもあります。5年生存率は20%程度と低く、治療が難しいがんの1つです。

肺の構造(提供:PIXTA)
肺の構造(提供:PIXTA)

原因

肺がんの7割は喫煙習慣が原因であると考えられています。

たばこにはさまざまな有害物質が含まれており、なかにはがんの発生を促す物質も多く含まれていることが分かっています。そのため、長期間にわたって喫煙を続けると肺の細胞にダメージが加わって遺伝子変異が起こることで、最終的にがんを発症すると考えられています。

また、たばこに含まれる発がん性物質は、喫煙者本人だけでなく周囲の人に及ぶ煙の中にも含まれています。そのため、同居家族などに喫煙者がおり、長期間にわたってたばこの煙にさらされ続けることも肺がんを発症するリスクの1つです。ただし、近年はたばこを吸っていない人の原因が分からない肺がんも増加しつつあります。

そのほか、頻度は低いものの肺がんはアスベスト、ラドン、ヒ素、クロロメチルエタノール、ニッケルなどの化学物質に長期間さらされることによって引き起こされることも知られています。そのため、これらの物質を扱う職業を持つケース、これらの物質による大気汚染がある地域に居住しているケースなどでは、肺がんの発症率が高くなります。

症状

肺がんは発症した部位や進行度によって症状が大きく異なりますが、近年は喫煙習慣のない人を中心に気管支の末梢にできるがんが増えてきたため、転移するまで自覚症状がなく進行してしまう人が大半を占めます。

一方、喫煙を原因に肺炎が生じる場合は太い気管支の周囲に発生することが一般的です。太い気管支に発生した場合も早期段階では自覚症状が現れにくいのですが、進行すると咳や血痰(けったん)などの症状が現れることもあります。

進行すると次第に慢性的な咳、痰、胸の痛み、だるさ、体重減少などの症状が現れるようになります。また、さらに進行すると痰の中に血が混ざった“血痰”が見られるようになったり、肺の機能が低下することで正常に呼吸をすることができず、息苦しさや呼吸困難感が現れたりすることもあります。そして最終的には肺に水がたまったり、肺炎を合併したりすることで呼吸機能が著しく低下し、自力で呼吸をすることが困難になります。

なお、肺は左右対になって存在しており、片方に発生したがんはもう片方に転移しやすいことが特徴です。また、骨や脳などにも転移しやすく、転移を起こした場合には骨折しやすい・骨が痛むといった症状や麻痺などの神経症状が引き起こされることもあります。

検査・診断

肺がんが疑われるときは次のような検査が行われます。

画像検査

肺がんが疑われるときは、実際に肺にがんがあるかどうか調べるために画像検査を行います。肺がんはX線にも描写されるので、肺がんが疑われたときに第一に行うのは簡便に実施できるX線検査です。

そして、X線検査でがんが疑われる病変が確認された場合は、大きさや位置などをさらに詳しく調べるためのCT検査を行います。ただし、X線検査では小さながんを発見することはできません。そのため、早期発見を目指すためにはX線検査よりもCT検査のほうが優位であることが分かっています。

また他臓器への転移が疑われるときは、PETやMRIによる全身の検査が行われることもあります。

腫瘍マーカー検査

肺がんを発症すると特異的に体内で値が高くなる腫瘍マーカーの有無を調べるために、血液検査が行われます。なお、肺がんには組織の特徴によっていくつかのタイプがあり、増加する腫瘍マーカーはタイプによって異なります。そのため、肺がんの診断のためでだけではなく、治療方針決定のため肺がんのタイプを特定する際にも有用な検査です。

ただし、腫瘍マーカーが現れるのは主に進行したがんであり、早期のがんでは異常を発見できないことがあります。そのため、この検査は補助的な検査として用いられます。また、肺がんの発症に関与していると考えられる特定の遺伝子の有無を調べる血液検査が行われることもあります。

喀痰細胞診検査

痰を採取し、その中にがん細胞が含まれているか調べる検査です。主に喫煙習慣のある人を対象に行われます。肺がん検診で実施されることもあり、簡便に肺がんか否かの可能性を探るための検査となっています。

気管支鏡検査

気管支に内視鏡を挿入して内部の状態を詳しく調べる検査です。通常はCT検査などで腫瘍の位置を特定してから行います。

気管支鏡は病変部の一部の組織を採取することもできるため、顕微鏡で詳しく観察してがん細胞の有無を調べる病理検査を同時に行うことも可能です。また、採取した組織を元にがんの遺伝子検査を行うこともあります。

がん遺伝子検査

がんの組織を採取し、がん細胞にどのような遺伝子変異が生じているかを調べる検査をいいます。遺伝子変異が分かることによって、より効果のある治療薬を選択できる可能性があります。

治療

肺がんの治療は手術治療・放射線治療・薬物療法が3本柱となっており、進行度やがんのタイプによって治療方針を決定します。もっとも治癒が期待できる治療は手術による切除です。しかし、手術は比較的早期の段階で発見された場合にしか行うことはできません。

一方、手術が行えない場合はがんを縮小させるための放射線治療や抗がん剤などを用いた薬物療法が行われます。また、手術後に再発を防ぐために薬物療法を行ったり、局所進行肺がんに対して手術前に放射線治療と薬物療法を行ったりするケース(集学的治療)もあり、それぞれの状態を見極めてもっとも適した治療方法が選択されます。

以前は薬物治療といえば抗がん剤による化学療法が一般的でしたが、近年は抗がん剤だけでなく、免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬などの治療薬も用いられます。免疫チェックポイント阻害薬とは、免疫の力を利用してがんを縮小させるという治療方法です。

また分子標的薬とは、ある特定の分子にはたらきかけることでがんの増殖を抑制する治療方法です。放射線治療や薬物療法の発展によって手術ができない場合でも、長期間がんと付き合って生活できるような人が増えてきています。

予防

肺がんの7割は喫煙習慣が原因で引き起こされると考えられています。そのため、肺がんを予防するには禁煙外来などを利用して禁煙を目指すことが大切です。たばこの煙に含まれる発がん性物質は周囲の人にも影響を及ぼすことが分かっているので、周囲に喫煙者がいる場合は禁煙を促すようにしましょう。

また、仮に肺がんを発症したとしても早期治療が可能となるよう定期的に画像検査を受けるようにしましょう。厚生労働省の推奨する肺がん検診ではX線検査が行われますが、X線では早期のがんは発見できないことが一般的です。そのため、早期発見を目指すためには1年に1回程度、より詳しく肺の状態を観察できるCT検査を人間ドックなどで受けることが望ましいでしょう。

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