りゅうこうせいかくけつまくえん

流行性角結膜炎

別名
はやり目
最終更新日:
2021年06月14日
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2021/06/14
更新しました
2017/04/25
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概要

流行性角結膜炎とは、アデノウイルスが原因で発症する感染症の1つで“はやり目”と呼称されることもあります。発症すると、眼の充血や目やに、ゴロゴロした痛みなどを自覚するようになります。

アデノウイルスの感染力は強く、幼稚園や保育園、病院や家族内での流行が生じることもまれではありません。小児における発症例が多いですが、どの年齢層であっても発症する可能性があります。流行時期としては8月を中心として夏に多く見られます。

アデノウイルスに対する特効薬はなく、流行性角結膜炎を発症した場合には症状に合わせた対症療法が中心となります。感染力が強いため、周囲へ感染を拡大させないためにも感染予防策を講じることが重要です。

原因

アデノウイルスへの感染を原因として発症します。アデノウイルスには、数多くの種類が存在しており、そのなかでも8・19・37・4型といったタイプのものが、流行性角結膜炎を引き起こす原因となります。

流行性角結膜炎は、アデノウイルスが付着したものに触れた手で目を触ったり、汚染されたものを眼に触れさせたりすることから感染が成立します。

たとえば、ウイルスにより汚染されたティッシュ、タオル、洗面器などに触れることなどが原因となる可能性があります。

症状

アデノウイルスに感染してから、およそ1〜2週間の潜伏期間を経て角膜と結膜に炎症症状が現れます。

具体的には、眼の充血や目やに、ゴロゴロした眼の痛み、まぶたの腫れ、涙などがあります。初発時には片目の症状であっても、時間経過と共にもう片方の眼にも症状が現れることがあります。

角膜に炎症が生じた場合は、角膜の透明性が低下することもあります。角膜は、光を透過させ網膜に焦点が合うように光を伝達するという重要な役割を担っています。そのため、角膜性病変が強くなると、網膜への光の透過性が低下することになり、まぶしさや見えにくさを感じるようになります。

また、結膜に出血することもあります。そのほかにも、リンパ節(特に耳の前に存在する耳前リンパ節)の腫脹(しゅちょう)がみられることもあります。

特に新生児や乳児に流行性角結膜炎が発症した場合には、細菌の混合感染をきたすことがあります。この場合には、角膜穿孔(かくまくせんこう)(角膜に穴があいてしまうこと)を起こすこともあります。

検査・診断

流行性角結膜炎は、周囲の流行状況や眼の所見、耳前リンパ節腫脹の所見などをもとにして診断を行っていきます。結膜から得られる拭い液を用いてウイルスの存在を確認する迅速キットも使用することが可能です。

重症度の高い場合や流行状況を正確に把握する目的がある場合などにおいては、より正確に診断をするためにPCR法と呼ばれる方法が選択されます。

治療

原因であるアデノウイルスには、効果のある特効薬が存在しません。そのため、目やにや眼の充血などの眼の症状に対しての対症療法が治療の中心になります。

流行性角結膜炎で使用されることのある点眼薬としては、抗炎症剤やステロイド剤などがあります。細菌の混合感染が疑われる状況においては、抗菌剤の点眼も行われます。

流行性角結膜炎の管理においては、感染拡大を予防することも重要です。アデノウイルスは感染力がとても強く、容易に周囲へと感染が拡大します。幼稚園や保育園、学校などの不特定多数の人と機会の多い環境下においては、よりいっそうの注意が必要になります。

特に年少児は衛生概念が確立しておらず、ウイルスに汚染されたおもちゃやタオルなどに対しての予防的な行動をとることができないため、注意が必要です。

予防

具体的にできる予防策として、アルコールなどを使用して汚染されている環境を消毒することが考えられます。たとえば、ドアノブを拭いたり、汚染されたタオルを消毒したりするなどです。また、こまめな手洗いや手指消毒も重要です。

家庭内では、感染者とタオルを共有しない、箸をわける、感染者の入浴は最後にするなどの対策が考えられます。

流行性角結膜炎は、医師が周囲への感染力がなくなったと判断するまで登園や登校を控える必要があります。医師の指示に従って周囲への感染を防げるように注意しましょう。

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