治療
アジソン病では低下した副腎の機能を回復させる根本的な治療はなく、副腎皮質ホルモンの不足を補う治療が中心となります。
補充する副腎皮質ホルモンにはグルココルチコイドとミネラルコルチコイドがあり、内服薬による治療を行います。特に、急性副腎不全と呼ばれる急性症状を発症しているときにはこれらのホルモンの速やかな補充が必要で、加えて水分、塩分、糖分の補給も必要になります。
また、発熱などによって体にストレスがかかっているときには、通常時よりも多量の副腎皮質ホルモンが必要になります。この場合には副腎皮質ホルモンの内服量を2~3倍に増やして治療を行います。
これらの治療は生涯にわたって続ける必要がありますが、正しい治療が行われていれば症状もなく、健康な人と同じ生活を送ることができます。
しかし、副腎皮質ホルモンの内服を欠かしたり、発熱時の増量を行わなかったりするとショック症状を起こしたりすることもあるため注意が必要です。そのため、かかりつけの病院などで病名・治療内容・主治医名を記載した副腎不全カードを作成してもらい、常に携行することが推奨されます。このカードを交通事故や突然の外科手術などの処置を受ける際に提示することで、急性副腎不全の回避につながります。
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