症状
コルサコフ症候群の主な症状は以下のとおりです。
- 重度の近時記憶の障害(最近のことが思い出せない)
- 逆行性健忘(昔のことが思い出せない)
- 失見当識(日時などが分からない)
- 作話(もの忘れを取り繕うために意図せずして話を作ろうとする)
また、ウェルニッケ脳症の症状が残ることもあります。
重度の近時記憶の障害・逆行性健忘
コルサコフ症候群でみられる記憶障害は、特に重度の近時記憶の障害が生じることが特徴です。新しいことを記憶する力が損なわれてしまう(記銘力障害)ため、最近の出来事が思い出せなくなります(前向性健忘)。
また逆行性健忘がみられるのも特徴の1つです。病気の発症など、原因となる出来事より前の記憶を忘れてしまいます。
失見当識
いま何時なのか、ここがどこなのか分からないなど、時間や場所などについて自分が置かれている状況が分からなくなってしまうことがあります。
作話
コルサコフ症候群の特徴的な症状として“作話”が挙げられます。作話とは、実際には起きていないことをあたかも事実のように話すことです。記憶障害であることを患者本人が認めず、作話することで周囲とのコミュニケーションを成り立たせている場合があります。
ウェルニッケ脳症の症状
コルサコフ症候群の原因となる病気であるウェルニッケ脳症の主な症状には、意識障害、眼球が細かく震えるなどの眼球の異常な動きや眼筋の麻痺(眼球運動障害)、歩行時のふらつき(失調性歩行)が挙げられます。コルサコフ症候群では、こうした眼球運動障害や失調性歩行が引き続きみられる人もいます。
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