概要
セルライトとは、皮膚の下にある脂肪細胞が固まって肌表面がでこぼことした状態になることです。
なお、セルライトという言葉は美容業界から発信されて広まった言葉で、医学用語ではありません。でこぼことした皮膚の変化がオレンジの皮に似ていることから、英語ではオレンジピールスキンとも呼ばれています。
脂肪とは、脂肪細胞という細胞が集まったものです。脂肪細胞は、血液中の脂質や糖を取り込み、体のエネルギーとして蓄える役割があります。血行不良や肥満などによって脂肪細胞が大きくなると、血管やリンパ管を圧迫して老廃物や水分が排出されにくくなります。また、代謝が悪い状態が続くと脂肪が蓄積して脂肪の状態が悪くなり、皮膚にでこぼことした変化がみられるようになります。
原因
セルライトができる原因はまだはっきりと分かっていませんが、血行不良、代謝の低下、ホルモンバランスの乱れなどが指摘されています。血行不良や代謝の低下は、運動不足、冷え、睡眠不足、加齢などが関与しているといわれています。
美容業界では、セルライトは大きくなった脂肪細胞の構造が変化して形成されると考えられています。血液やリンパの流れが悪くなったり代謝が低下して脂肪の燃焼力が低下したりすると、脂肪細胞が分解されにくくなり、線維化して固くなっていき皮膚のでこぼことしてセルライトが現れるといわれています。一方で、医学的にはセルライトは特別な脂肪ではなく、通常の脂肪と同様のものと捉えられています。
症状
セルライトは、でこぼことした皮膚の変化を特徴とし、皮膚をつまんだり捻ったりするとでこぼこが分かりやすくなります。特に皮下脂肪の厚い部分にできやすく、もっとも多いのが太ももの裏側で、お腹やお尻、二の腕などにもよくみられます。
検査・診断
セルライトに対する明確な診断基準はありません。また、セルライトがある部分を取り出して顕微鏡で見ても、肥大化した脂肪組織が確認できるだけです。そのため、通常は特別な検査は行われず、でこぼことした皮膚変化を確認することで判断されます。
治療
セルライトに効果のある治療法は分かっていません。セルライトの対策としてマッサージや超音波を当てる処置などがありますが、セルライトへの効果は低いとされています。
美容外科などではセルライトの改善を目的に、超音波や衝撃波による治療、脂肪を吸引する治療などが行われています。
超音波や衝撃波による治療は、体外機器を用いて超音波・衝撃波を患部に当て、その部位の脂肪細胞を破壊・分解してセルライトを除去するというものです。
脂肪吸引では、カニューレという特殊な吸引管を用いて組織を破壊しながら脂肪細胞を吸引します。カニューレを挿入するときに皮膚を切開するため、小さな傷あとが残ります。脂肪吸引法の安全性は、完全に保障されているわけではありません。
セルフケア
セルライトは主に血行不良、代謝の低下、ホルモンバランスの崩れが原因と考えられ、これらは運動不足、冷え、睡眠不足などによって引き起こされると考えられています。そのため適度に運動をする、体を冷やさないようにする、十分な睡眠を取る、規則的な生活を送る、ストレスを解消するなど、日頃から健康的な生活を送ることが大切です。
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