まんとるさいぼうりんぱしゅ

マントル細胞リンパ腫

最終更新日:
2024年05月01日
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2024/05/01
更新しました
2020/11/13
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概要

マントル細胞リンパ腫は、悪性リンパ腫の1種で、細菌やウイルスなどに対処する白血球の一種である“Bリンパ球”の一部が異常増殖することで発症します。リンパ組織内にある濾胞(ろほう)というBリンパ球が集合している場所から発症すると考えられていますが、具体的な原因はいまだ解明されていません。発症年齢の中央値は65歳程度で、女性よりも男性の発症が多いといわれています。

マントル細胞リンパ腫では、リンパ節の腫れや貧血、発熱、肝臓や脾臓(ひぞう)の腫れなどの症状が現れます。病状は急速に進行するといわれており、強化型化学療法などの治療が検討されます。

原因

マントル細胞リンパ腫の明確な原因は不明ですが、染色体の異常により細胞分裂周期に関わる特定の遺伝子が過剰に発現することが原因の1つと考えられています。この異常が特定のリンパ球の分裂に有利にはたらくことで異常な細胞が増殖します。

明らかな生活習慣による影響は発見されていません。

症状

マントル細胞リンパ腫は、首や腋の下などリンパ節が多くある場所に痛みを伴わない腫れやしこりが現れます。また、骨髄(こつずい)末梢血(まっしょうけつ)、消化管などリンパ組織以外に病気が広がった場合は、貧血や脾臓の腫れ、腹痛、吐き気・嘔吐、体重減少、消化管出血、腸閉塞(ちょうへいそく)などの症状が起こることもあります。

検査・診断

腫大しているリンパ節を手術で切除し、顕微鏡で細胞の異常などを詳しく観察して診断します。また、マントル細胞リンパ腫は染色体異常と特定の遺伝子の過剰発現も特徴的なため、採取した細胞の遺伝子検査や免疫染色*などを行うこともあります。

また、リンパ組織以外への腫瘍の広がりを確認するために、骨髄穿刺を行なったり、CTなどの画像検査や内視鏡検査を行ったりする場合もあります。

*抗体を用いて、がん細胞の抗原の種類・分布を調べる検査。

治療

現段階ではマントル細胞リンパ腫の治療は確立しておらず、基本的にはリツキシマブという分子標的薬を中心にそのほかの抗がん薬を組み合わせた化学療法を行います。

年齢が若いなどの場合は、リツキシマブに加えて高用量シタラビン*を組み合わせた強化型化学療法を行う場合があるほか、化学療法の後に自己末梢血幹細胞移植という治療を併用する場合があります。年齢や治療前の健康状態を踏まえて、これらの治療法は体への負担が大きいと判断された場合は、副作用の少ない治療を検討します。

*がん細胞のDNA合成を阻害することで、がん細胞の増殖を抑制する作用がある。

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