原因
血液は心臓から拍出された後、動脈、毛細血管、静脈を介して全身へと運ばれます。一部の血液成分は毛細血管を中心に、細胞の間に沁み渡る構造になっています。細胞の間に滲み出た液体成分はリンパ管へと戻る仕組みになっており、全身の血液循環へと還流されます。リンパ管は皮膚の深く、静脈の近くを並走しています。滲み出た液体成分はリンパ管に入り込んだ後、支配領域に属するリンパ節へと運ばれ、最終的には胸管と呼ばれる管を通して血管内へと戻ります。
皮膚は細菌を体内に侵入させないバリアとしての機能を持っています。傷口があると細菌の侵入が生じやすくなるため、リンパ管炎を発症することがあります。またリンパ管は全身の血管や血液成分との往来があるため、別部位で生じた感染症がきっかけとなりリンパ管炎を発症することもあります。
リンパ管炎を引き起こす病原体としては溶血性連鎖球菌がよく知られていますが、他にも黄色ブドウ球菌、リケッチア、ノカルジア、ヘルペスウイルス、リーシュマニア、非定型抗酸菌、Burkholderiaなどによるものもあります。リンパ浮腫を伴っているとリンパ液の流れが停滞しがちなため、リンパ管炎発症のリスクにつながります。
医師の方へ
「リンパ管炎」を登録すると、新着の情報をお知らせします