原因
上前腸骨棘裂離骨折、下前腸骨棘裂離骨折は、いずれも成長期にあたる子どものスポーツ活動中に起こりやすいことで知られています。
なぜなら、成長期の子どもの腸骨には骨の成長に関わる骨端線が残っており、成人の腸骨に比べて強度が弱いからです。骨端線は成人身長になると閉鎖するため、裂離骨折なども起こりにくくなります。
また、成長期には骨の非常に早い成長に筋肉や腱の成長がついていけず、一時的に筋・腱の相対的な短縮状態に陥ります。このため、上・下前腸骨棘のような筋肉が付着している部分により大きな力が加わりやすいことも原因として挙げられます。
上前腸骨棘・下前腸骨棘の裂離骨折は、それぞれ次のような動作が原因で起こる傾向があります。
上前腸骨棘裂離骨折の原因
短距離走などでのスタートダッシュがきっかけとなることがあります。ダッシュの動作により大腿筋膜張筋や縫工筋が急激に収縮するため、上前腸骨棘が強く引っ張られて骨の一部が剥がれ、裂離骨折に至ることが多くなっています。
下前腸骨棘裂離骨折の原因
サッカーなどでのキック動作により、大腿直筋が急に収縮して起こることがあります。
このほか、どちらの腸骨棘の裂離骨折も、ランニング、ジャンプなど、筋肉の急激な収縮を伴う動作が原因となることがあります。
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