治療
上前腸骨棘裂離骨折、下前腸骨棘裂離骨折では、多くの場合保存的な治療(手術を伴わない治療)が選択されます。
保存的治療
裂離骨折の保存的治療とは、手術を行わずに安静や冷却、固定などを行いながら、骨が自然にくっつくこと(癒合といいます)を待つ治療法です。
痛みが生じにくい姿勢をとり、患部を動かさないよう安静にして冷却します。冷却は炎症を抑える目的で行われます。
スポーツ復帰まで
患者さんの状態に応じて、徐々に松葉杖などを使った歩行を始めます。歩くときの痛みがなくなってから、股関節を動かす可動域訓練や筋力訓練を開始します。
典型例の場合、4週間~6週間でジョギングなどの軽い運動を再開することができ、2~3か月後にはスポーツ復帰できることが一般的です。
手術
骨片が腸骨棘から大きく剥がれてしまっている場合など、自然な骨癒合が難しいと判断される場合には、手術により剥がれた骨を正しい位置へ移動し、固定することもあります。
再発や悪化の予防
骨折後、骨癒合が十分でないときや筋力が低下している状態のときに、無理をして患部を使ってしまうと再発や悪化の原因になります。筋力訓練や可動域訓練は、主治医やリハビリテーションを行う医療者の指導を受けながら慎重に行っていきましょう。 スポーツ復帰後は、再発を防ぐために十分なストレッチを行うことも大切です。
医師の方へ
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