原因
原因として考えられるのは、乳汁を産生するプロラクチンの過剰分泌です。このような状態を高プロラクチン血症といいます。
プロラクチンは脳内の下垂体と呼ばれる部位から放出されるホルモンですが、下垂体からプロラクチンが分泌されるためには、脳内の視床下部という部位から指令が下る必要があります。
したがって、この経路のどこかに支障をきたすと、プロラクチンの産生が過剰になったり、足りなくなったりします。高プロラクチン血症をきたす病態・疾患は非常に多彩ですが、大きく分けて以下4つに分かれます。
プロラクチンを産生する腫瘍
プロラクチンを分泌する器官である下垂体に腫瘍ができると、体が必要としている・していないに関わらず腫瘍によってプロラクチンが産生されます。そのため、プロラクチンが過剰な状態となります。
脳の視床下部の機能不全
視床下部は下垂体に指令を出してプロラクチンを分泌させる器官なので、視床下部からの過剰な刺激によってプロラクチンが過剰に分泌されることになります。
薬剤の影響
プロラクチンは同じく脳内で分泌されるドパミンによって、過剰に分泌されないよう抑制をかけられています。したがって、ドパミンの産生を抑えるような薬(降圧剤・抗精神病薬・抗うつ薬・制吐薬・抗胃潰瘍薬など)の内服によって抑制が外れ、プロラクチンの産生が過剰になります。
甲状腺機能の低下
甲状腺ホルモンとプロラクチンの分泌調整機構には共通している部分があります。甲状腺ホルモンが低下すると甲状腺ホルモン量を正常状態に戻すために、視床下部から甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンの分泌が上昇します。
このホルモンは甲状腺ホルモンの分泌にも作用しますが、プロラクチンの分泌にも作用するため、高プロラクチン血症につながります。
例外として、潜在性高プロラクチン血症があります。これは血中のプロラクチンの濃度は正常であるにもかかわらず乳汁漏出といった症状がでる場合を指します。
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