治療
変形の程度が軽い場合は、首がすわり、頭の位置を自分で動かせる時期になると改善傾向がみられます。寝返りをする前であれば、頭の同じ場所に圧力がかからないように頭の向きを変えてあげたり、ドーナツ枕やクッションなどを用いて頭部の向きを矯正したりする場合もあります。その際、枕によって頚部が前屈し、下あごが胸部に押し付けられて気道閉塞を起こす可能性があるため呼吸状態には注意が必要です。これらのほか、以下の治療法があります。
ヘルメット矯正治療
頭蓋変形が強い場合にはヘルメット矯正治療が検討されます。ヘルメット矯正治療は一般的に首がすわり始める生後4か月ごろから開始され、治療期間は約6か月間です。ヘルメット矯正治療は、変形している頭蓋骨に締め付けるような圧力をかけるものではありません。頭蓋骨が出ているところを、それ以上突出しないようにして成長を待機させ、扁平な部分の成長を促すことを目的としています。したがってヘルメット治療での改善が見込めるのは頭蓋骨が柔らかく、一定の拡大が見込まれる時期に限られます。
タミータイム
うつ伏せ練習(遊び)、腹ばい練習(遊び)などを意味する言葉です。首すわりを促す方法として用いられています。
タミータイムは一定時間実施することで後頭部の扁平化を予防し、肩甲骨上部の筋肉や運動機能の発達を促進できるとされています。
分娩施設から自宅に戻ったら、おむつを替えた後や目が覚めた直後に、1日に1回3~5分を2~3セットくらいから行いましょう。頭を自分で動かせない時期は、うつぶせ寝で鼻と口が埋まって窒息する危険があるため、ふかふかの服や寝具の上でのうつぶせ寝を避けてお母さんの胸の上で、うつぶせで保持しましょう。赤ちゃんが喜んで行うようであれば、徐々に延長して朝晩15~30分ずつのタミータイムを目指しましょう。
赤ちゃんの頭の形が心配な場合には、かかりつけの小児科の先生にご相談いただくか、小児脳神経外科や頭蓋形成に精通した形成外科の専門医がいる医療機関への受診をお勧めします。
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