せんてんせいひざかんせつだっきゅう

先天性膝関節脱臼

最終更新日:
2025年04月01日
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2025/04/01
更新しました
2017/04/25
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医師の方へ

概要

先天性膝関節脱臼では、さまざまな生まれつきの原因によって膝関節に脱臼が生じます。発症率は10万人に1人程度といわれています。3割程度は左右両方に発症するとされています。また、先天性股関節脱臼先天性内反足などを合併することも多いとされています。

原因は多岐にわたり、全身の関節が過剰に軟らかいエーラス・ダンロス症候群、全身のさまざまな関節の脱臼がみられるラーセン症候群や、関節が硬くなる関節拘縮症などの病気、あるいは胎児期の子宮内での体勢の異常が挙げられます。

先天性膝関節脱臼を発症すると、脚が過伸展(反張、反対側に反り返る)状態となって膝関節を曲げられなくなります。

脱臼の程度が軽度から中程度の場合は膝関節の位置を手で元に戻し、装具などで固定する保存的な治療法で治ることもありますが、高度な脱臼や保存的治療が奏効しない場合には手術が必要となることもあります。

原因

先天性膝関節脱臼の原因には、皮膚や関節を構成する組織の異常により全身の関節が過剰に軟らかくなるエーラス・ダンロス症候群や、さまざまな関節の脱臼がみられるラーセン症候群、ダウン症候群などの生まれつきの病気、あるいは前十字靱帯(ぜんじゅうじじんたい)や大腿四頭筋の生まれつきの異常が挙げられます。

また、胎生期において膝蓋(しつがい)の発達が不十分である場合や、胎児期に子宮内で異常な体勢であった場合も先天性膝関節脱臼の原因となります。

症状

先天性膝関節脱臼を発症すると、膝が曲げられずに脚が過剰に伸び、反り返った状態となります。重症度は一般的に3段階に分類され、ごく軽度の脱臼のみのケースもあれば、膝関節を構成する骨が完全にずれて離れているケースもあります。

なお、先天性膝関節脱臼はおよそ3分の1が左右両方の膝に発症すると報告されています。また、先天性股関節脱臼先天性内反足など生まれつきの足の異常を伴うことが多いとされています。

一般的に、何らかの病気によって引き起こされるケースのほうが、胎生期の体勢の異常によって引き起こされるケースよりも重症度が高いといわれています。

検査・診断

先天性膝関節脱臼が疑われるときには、以下のような検査が行われます。

画像検査

膝関節の状態を詳しく評価するためにX線などによる画像検査を行う必要があります。必要に応じて膝関節の造影検査を行うこともあります。

遺伝子検査

先天性膝関節脱臼はエーラス・ダンロス症候群、ラーセン症候群、ダウン症候群など遺伝性疾患が原因となることがあるため、病気が疑われる場合は遺伝子検査を行うことがあります。

治療

先天性膝関節脱臼の治療方法は、脱臼の程度によって異なります。

膝関節を構成する骨同士が大きくずれていない軽度の脱臼であれば、ギプスや装具などで固定します。胎生期の体勢の異常が原因の場合は、このような保存的な治療で改善が期待できるケースもあります。

一方、何らかの病気が原因となっている場合や、膝関節の骨が大きくずれている場合、両方の膝に発症しているような場合には手術治療も検討されます。

予防

先天性膝関節脱臼は生まれつきの病気であるため、確立した予防方法はないのが現状です。しかし、軽症でなおかつ早期であれば保存的治療で改善する可能性もあるため、膝関節の動きなどに異常を感じる場合は早めに医師に相談しましょう。

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