原因
ペット、野生動物、家畜、動物園などにいる展示動物などと接するときに起こります。イヌ、ネコ、ネズミ、コウモリなど、そしてヒトを含めたさまざまな動物との接触がきっかけになります。
咬まれたあとに感染症をおこした例としては、次のような報告がされています。
- 海外で犬に咬まれて感染した人が、日本に帰国して発症する(日本)
- 吸血コウモリに咬まれ狂犬病を発症する(中南米)
- アジア産サルに咬まれBウイルス病を発症する(北アメリカ)
- アライグマやスカンクに咬まれて狂犬病を発症する(北アメリカ) など
すべての動物が感染症を引きおこすウイルス・細菌をもっているわけではありません。また咬まれる深さによっても感染症を発症するかどうかは変わってきます。さらにペットなどは予防接種を受けた動物が多いことから、咬まれた場合でも感染リスクは低くなります。
また、動物咬傷による感染症の起こりやすさは、国や地域によって大きく変わります。
たとえば日本は、以前まで多くの犬が狂犬病と診断され、咬まれた人の感染例・死亡例が報告されていました。しかし1950年に狂犬病予防法が制定され、犬の登録、予防注射、野犬の抑留が徹底されたことで、狂犬病は撲滅されました。一方で、日本の周辺国を含む多くの国で依然として狂犬病が発生しています。このように国や地域によって、動物咬傷による感染症がおきやすいかどうかは変わってきます。
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