どうぶつこうしょう

動物咬傷

最終更新日:
2020年08月31日
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2020/08/31
更新しました
2017/04/25
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治療

動物に咬まれたら、まずはすぐに傷口を洗いましょう。石鹸と綺麗な水でよく洗うことが大切です。

その後の治療は、咬まれた状況やその後の症状によってさまざまです。海外でイヌなどに咬まれた場合は狂犬病の感染が疑われます。傷口を洗った後、速やかに医療機関に向かうことが望ましいです。医療機関では傷の処置と治療、狂犬病ワクチンの接種などをおこないます。狂犬病は命に影響をおよぼす疾患なので、狂犬病の流行する国へ向かう前には、事前のワクチン接種が奨められます。

一方、一般の家庭で飼われているイヌやネコなどのペットに咬まれることで感染することは少ないです。しかしまれに病原体を持っていることがあるので注意が必要です。

イヌやネコに咬まれた患者さんが医療機関を受診する場合には、感染症を予防するために幅広い菌種に網羅的に効果がある抗菌剤を投与することがあります。また一般的に、ネコは歯が尖っているため、イヌによる咬傷よりも傷が深くなりやすいです。傷が深いと考えられる場合には抗生剤を予防的に投与することが考慮されます。
感染症が重症化して敗血症が起こる場合には、血症交換療法などのさまざまな対症療法がおこなわれます。また、咬まれた部分に壊死や筋膜症がおきている場合には手術がおこなわれます。

動物による咬傷の場合には「破傷風(はしょうふう)」の予防を考えることも重要です。破傷風とは、傷口から入り込んだ「破傷風菌」という細菌の毒素によっておこる感染症のことです。発症するとさまざまな神経障害を起こし、重症例では呼吸ができなくなり命に危険を及ぼす可能性があります。予防の処置としては、患者さんのこれまでの予防接種歴を確認のうえ、破傷風の予防のためのワクチン(沈降破傷風トキソイド)の接種が行われます。

動物に咬まれたとき、一般の人よりも免疫無防備状態と考えられる方(高齢者、慢性疾患を抱える方など)では、より積極的に医療機関を受診することが大切です。咬まれたときの状況を伝え、医師の判断を仰ぐことが重要といえます。
 

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