検査・診断
どのような症状があらわれるかは、動物がもつ病原体や毒の種類によってさまざまです。
たとえば、狂犬病ウイルスをもつイヌなどの動物に咬まれて「狂犬病」を発症すると、このような症状があらわれます。
狂犬病は命に影響をおよぼす疾患です。発症してしまうとほぼ100%死亡すると考えられています。通常は1~3カ月の潜伏期間があります。初期症状は発熱といった風邪に似た症状があらわれ、咬まれた部分に痛みやかゆみなどがあります。その後さまざまな神経症状があらわれ、その数日後に呼吸麻痺で死に至るケースが多いといえます。
*恐水・恐風症状:水や風、そのほか音などの刺激が加わるとけいれんがおきるという狂犬病に特徴的な症状
また、パスツレラ菌をもつイヌやネコなどに咬まれて「パスツレラ症」を発症すると、このような症状があらわれます。
早ければ数時間で咬まれた部位が腫れたり、痛んだりします。免疫機能が低下している方では敗血症や骨髄炎を起こすリスクもあります。
動物に咬まれた患者さんが医療機関を受診されたら、まずは問診によって事故の状況を明らかにします。また咬まれた部分や、炎症がおきている部分の身体所見を確認します。
さらに確定診断には病原体を明らかにする検査をおこないます。
- 唾液などの検査
- 血液の検査
- 皮膚・角膜などからの検査
- 脳脊髄液の検査 など
こうした検査をおこなうことで、病原体を明らかにすることができます。
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