こつずいえん

骨髄炎

最終更新日:
2024年07月10日
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2024/07/10
更新しました
2017/04/25
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概要

骨髄炎とは、細菌や真菌(カビ)などの病原体が骨の組織に侵入し、炎症を起こす感染症です。発症要因はさまざまですが、骨折やけがなどが原因となる外傷性、病原体が血液によって運ばれることで発症する血行性に大きく分けられます。そのほか、人工関節などの人工物から感染する場合もあります。

骨髄炎を起こすと、患部の痛みや腫れ、発熱などの症状が現れます。また、(のうよう)という(うみ)の塊がつくられることもあります。

基本的な治療は原因となる病原体に応じた薬物療法です。慢性の骨髄炎では、薬物療法と手術療法を併用して治療を行うこともあります。

原因

骨髄炎は、細菌や真菌などの病原体が骨に感染することで発症します。病原体が骨に感染する経路は外傷性と血行性に大きく分かれます。

傷性では、骨折外傷、手術に伴って病原体に感染することが発症要因になります。人工関節手術を行った場合は、手術直後だけでなく、術後しばらくしてから感染症を起こす可能性があるため、長期的に経過観察を行い、合併症を予防します。

一方の血行性では、血液中に侵入した黄色ブドウ球菌などの病原体が血流にのって骨髄に侵入し、感染することで起こります。骨が未熟な子ども、高齢者や免疫抑制薬などの薬剤を服用中の人は免疫力が低下しているため血行性の骨髄炎を発症しやすい傾向にあります。

症状

骨髄炎では、痛み・腫れ・熱感・皮膚の赤みなどの局所的な症状と発熱・体重減少などの全身症状が生じます。

急性の場合には局所的な症状と全身症状の両方がみられますが、慢性の場合には全身症状は伴いません。

また、骨の内部の骨髄(血液細胞を作る造血幹細胞が存在する場所)が腫れて骨内部の血流が悪くなり、骨の一部が壊死(えし)したり、筋肉など近くの軟部組織内に瘍を形成したりすることもあります。

検査・診断

骨髄炎が疑われるときは次のような検査を行います。

画像検査

X線検査、CT、MRIなどによる画像検査で骨の状態を確認します。特に病気の広がりを詳細に評価することができるMRIは重要と考えられています。

血液検査

血液検査は、炎症の程度を調べるために行われます。

培養検査

骨髄炎の原因となる病原体を特定するための検査です。必要に応じてや組織を採取して検査を行います。

治療

骨髄炎の治療方法は病原体の種類や重症度によって異なります。急性の場合には原因となる病原体に応じた薬物療法を行います。慢性の骨髄炎では、薬物療法に加えて手術療法を行います。いずれの場合も原因菌に対する抗菌薬を4~6週間ほどかけて注射や内服で投与し経過観察しますが、症状が改善しなければ長期的に薬物療法を行うことになります。近年、骨髄に専用の針を刺して抗菌薬を直接投与する持続局所抗菌薬還流法も行われています(Continuous Local Antibiotics Perfusion:CLAP)。

瘍が形成されている場合には排膿を行います。組織や骨の壊死があればそれらを取り除き、必要に応じて皮膚や骨などの組織を移植する手術を行います。

予防

骨髄炎は手術が必要になることもあるため、骨の痛みや腫れなどの症状があるときは放置せずに医師の診察を受けることが大切です。

また、開放性骨折を生じた場合、負傷後6~8時間以内に患部を洗浄し壊死した組織を取り除くことで骨髄炎の発症リスクの低下につながるため、できるだけ早く病院を受診し、適切な処置を受けましょう。

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