じゅうにしちょうちゅうしょう

十二指腸虫症

最終更新日:
2018年09月05日
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2018/09/05
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概要

十二指腸虫症とは、鉤虫と呼ばれる寄生虫によって引き起こされる病気のことを指します。十二指腸虫症は、特に衛生環境の整っていない地域で多くみられる病気のひとつです。

十二指腸虫症では、鉤虫が体内にいても症状がないこともありますが、皮膚を介して鉤虫が入り込んだ場合、侵入部位に一致した赤みやかゆみが生じることがあります。治療では、寄生虫に対して効果が期待できるアルベンダゾールなどの薬剤が用いられます。また、十二指腸虫症はインターネット上で、鉤虫症と検索されていることも多いようです。

原因

十二指腸虫症は、主にズビニ鉤虫やアメリカ鉤虫によって引き起こされる病気です。ズビニ鉤虫やアメリカ鉤虫の虫卵は、温暖かつ湿潤な環境において1~2日ほどで孵化します。孵化した幼虫はさらに5~10日ほど経過すると、人に感染するようになります。

鉤虫は人の皮膚を通って体内に入り込むことがありますし、鉤虫で汚染された食べ物を介して体内に入り込むこともあります。鉤虫は、その後消化管や肺などに入り込むことがあり、各種臓器に関連した症状を引き起こします。

消化管に入った鉤虫は、そこで成虫へと成熟し卵を産むようになります。消化管内で排出された虫卵は、人の排泄物とともに環境中へとばらまかれ、環境が虫卵で汚染されます。ここでさらに虫卵は孵化し、再び別の個体への感染機会を伺うことになります。

症状

十二指腸虫症では、鉤虫が体内にいても症状がないこともあります。鉤虫が皮膚を介して入り込んだ場合、侵入部位に一致した赤みやかゆみが生じることがあります。

鉤虫は肺や消化管に入り込むことがあります。鉤虫が肺に入り込むと、咳や喘鳴などの呼吸器症状を引き起こすことがあります。また、消化管内に鉤虫が入り込むと、腹痛や下痢、慢性的な消化管出血などを起こすことがあります。

慢性的な消化管出血は、その後貧血を生じることがあり、その際には、動悸や息切れ、運動時の易疲労感、顔色不良、爪の変形などの症状を生じることがあります。その他、土など通常は摂取しないものを好んで食べるようになったり、心不全を起こすことでむくみや呼吸困難を生じたりすることもあります。

検査・診断

十二指腸虫症の診断では、便の検査を行うことがとても大切です。具体的には、便の中に含まれる虫卵を、顕微鏡を用いて観察することで病気を診断します。

また、十二指腸虫症において消化管からの出血が続いた場合、貧血が生じることもあります。このことを評価するために、便潜血の確認、血液検査による貧血の確認、なども行われます。

治療

十二指腸虫症は、寄生虫によって引き起こされる病気です。そのため、寄生虫に対して効果が期待できるアルベンダゾールなどの薬剤を用いて治療します。

十二指腸虫症では、消化管出血に関連して貧血が進行することもあるため、貧血に対する治療も行われます。貧血の際には、サプリメントなどを用いた鉄分補給が検討されることがあります。

予防

東南アジアやアフリカなどを始めとして、世界の各所に鉤虫の感染リスクを伴う地域が存在します。海外渡航を計画される際には、渡航先が十二指腸虫症の流行地域でないかどうかを事前にチェックすることが大切です。

洗浄が不十分な野菜、不衛生な水の摂取などを原因として病気の発症に至るため、口にするものには十分注意することが求められます。また、寄生虫に汚染された水や土に触れることでも感染が成立するため、土に不用意に素手で触れない、裸足やサンダルで土に踏み込まない、などの行動を心がけることも重要です。

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