へんけいせいけいついしょう

変形性頸椎症

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

変形性頸椎症とは、加齢によって首の骨である頸椎が変形し、頸椎を通る脊髄やそこから分岐する神経を圧迫してダメージを与える病気です。

首の骨は、椎骨と呼ばれる7個の骨で構成されており、それぞれの椎骨の間には椎骨同士の摩擦や衝撃を吸収するクッションのような椎間板と呼ばれる弾性繊維があります。

椎骨が加齢によって変形する原因には、さまざまな説が唱えられています。たとえば、椎間板が加齢によって弾力を失い、椎骨同士の衝撃が増えて骨が棘のように増殖することなどが挙げられます。

症状の程度はさまざまであり、主に首や腕、肩のしびれ・痛みを生じますが、脊髄に重度なダメージが加わった場合には、下肢の強いしびれや排尿障害などを引き起こすこともあります。

原因

変形性頸椎症の原因は、頸椎が加齢によって変形することです。

人は直立二足歩行を行うため、首は常に5kg以上の重さの頭を支えている状態となり、首の骨は体の中でも特に負担を受けやすい骨であるといえます。このため首の骨は年齢を重ねるごとに、長年積み重なった骨への過度な負担によって骨の変形が生じやすくなるのです。

加齢によって頸椎が変形する原因には、さまざまなものが考えられています。一般的には椎間板が加齢によって弾力性を失い、骨同士の衝撃や摩擦が増えることで骨の一部が反応性増殖を生じることや、脊髄が通る脊柱管を支える靭帯が加齢によって肥厚し、脊柱管が狭くなることなどが挙げられます。

特に、骨の反応性増殖は骨の辺縁部にできやすく、鋭く尖った骨棘と呼ばれる変化を生じ、脊髄や分岐する神経を圧迫して、さまざまな症状を引き起こします。

症状

症状は、脊髄やそこから分岐する神経のどの部位にダメージが加わるかによって大きく異なります。

変形性頸椎症は、脊髄にダメージが加わる頸椎性脊髄症と、脊髄から分岐する神経にダメージが加わる頸椎性神経根症に分けられますが、それぞれの症状の特徴は下記のとおりです。

頸椎性脊髄症

脊髄が圧迫されるため、圧迫点より下位の神経支配領域に痛みやしびれ、脱力などの症状が現れます。症状が広範囲にわたるのが特徴で、脊髄へのダメージが重度な場合には、歩行障害や膀胱直腸障害を引き起こすこともあります。

頸椎性神経根症

脊髄から分布された神経の一部のみにダメージが加わるため、症状の出現範囲は首や肩、腕に限られているのが特徴です。また、通常は脊髄から左右に分布する神経の片方のみが障害されるため、症状は左右どちらかにのみ現れます。

主な症状は、首や肩、腕、手、指にかけての痛みやしびれ、脱力です。長期にわたって症状が続く場合には、患側の筋肉量が減少し、外見からも筋肉の付き方に左右差が見られるようになります。

また、首を後ろに反らせると神経への圧迫が強くなり、痛みが増すのが特徴で、重症なケースでは上を見ることができなくなります。

検査・診断

変形性頸椎症では、頸椎の変形と神経圧迫の程度を評価するために下記の画像検査が行われます。

レントゲン検査

レントゲン検査では、骨棘や脊柱管の狭窄など頸椎の加齢による変化を観察することができます。

MRI検査

MRI検査は頸椎の変形だけでなく、脊柱管の中を走行する脊髄や分岐する神経を描出することが可能であり、変形による脊髄・神経の圧迫を観察することができます。

治療

変形性頸椎症の多くは、痛みやしびれが強くなるような姿勢を避け、首を安静にすることで症状は改善します。痛みが強い場合には鎮痛剤や筋弛緩剤の内服・湿布の貼付による対処療法が行われます。

薬物療法でも症状が改善しない場合には、痛み止めの注射や原因となる神経に直接麻酔薬を注入するブロック注射が行われることもあります。

これらの保存的治療は一時的に症状を改善させる効果は期待できますが、加齢による頸椎の変形を止めることはできません。症状が進行して歩行障害や膀胱直腸障害、耐え難い痛みなどが生じる場合には、手術で変形した頸椎を修復する治療が行われることもあります。

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