原因
人の皮膚には汗腺と呼ばれる構造があります。汗腺は、全身に広く分布して汗を排出するエクリン汗腺と、脇の下や乳輪、陰部などの限られた部位にのみ分布して元来フェロモンという臭い物質を排出する機能を持つアポクリン汗腺に分けられます。
この2つのうち、エクリン汗腺は発汗によって体温調節を行う重要な役割を担っており、真皮から始まって表皮を通り、皮膚に開口する構造をしています。通常、エクリン汗腺が閉じることはありませんが、乳幼児はその構造やはたらきが未熟なため、汗が皮膚表層の角質層の内部や表皮内に溜まり、汗腺を閉塞させることがあります。
閉塞したエクリン汗腺は炎症が生じやすく、1~2mmほどの小さな赤い皮疹が形成されることがあります。この皮疹は汗疹とよばれ、いわゆる「あせも」として知られています。
多発性汗腺膿瘍は、この汗疹を掻きむしった際などに、エクリン汗腺の内部に皮膚の常在菌である黄色ブドウ球菌が感染することで生じる皮疹です。
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