あせも

あせも

同義語
汗疹
最終更新日:
2021年03月22日
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2021/03/22
更新しました
2017/04/25
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概要

汗疹とは、大量の発汗によって生じる皮疹(ひしん)のことです。一般的に、あせもと呼ばれるもので、小さな水疱(すいほう)丘疹(きゅうしん)が多発します。

汗は皮膚の中にある汗腺(かんせん)で生成され、細い管(汗管)を通って皮膚の表面に分泌されます。汗疹は何らかの原因で汗管が詰まることで、生成された汗が正常に分泌されず、皮下にたまることが原因となって発症します。

汗管は真皮から皮膚の表層につながる細長い構造をしていますが、汗疹は汗管が閉塞する場所および炎症の有無によって、水晶様汗疹・紅色汗疹・深在性汗疹に分類されます。

汗疹の多くは、汗の分泌を抑え、患部の通気性を良好に保てば自然に治ります。しかし、かゆみを伴う場合が多く、かきむしると細菌感染が生じて痛みや発熱を生じることもあります。

原因

汗疹は、汗管が閉塞して分泌されるべき汗が皮下にたまることで発症します。汗腺には、エクリン汗腺とアポクリン汗腺がありますが、エクリン汗腺は全身に分布して汗を分泌し、体温調節を行うはたらきがあります。

一方、アポクリン汗腺は(わき)の下や乳頭部、臍囲(さいい)、外陰部などに分布しており、元来はフェロモンを分泌する役目を担っていたと考えられています。

汗疹はこれら2種類の汗腺のうち、エクリン汗腺から伸びる汗管が閉塞することによって引き起こされます。汗の流出が障害された結果、汗の成分が汗管周囲の組織に染み出して皮疹が生じるのです。

汗管が閉塞する原因としては、高温多湿の環境下で運動をしたり、高熱が出たときなど一気に大量の汗が生成されたりすることが挙げられます。

また、高温多湿の環境下でなくてもギプスや湿布、包帯など通気性が悪く、体の一部が汗をかきやすい状態となることで、その部位に限局した汗疹がみられることも少なくありません。

症状

汗疹は閉塞する汗管の部位によって大きく3つの種類に分けられます。それぞれの特徴は次のとおりです。

水晶様汗疹

角層や角質直下の皮膚表層の汗管が詰まるタイプです。直径数mm程度の小さな水疱を形成しますが、かゆみや赤みを伴わず数日で自然に治ります。

紅色汗疹

皮膚深層の汗管が詰まるタイプの汗疹です。閉塞した汗管周辺には炎症が生じ、汗の成分が周辺組織に染み出すことで直径2mm大程度の丘疹が見られます。

皮下の炎症反応によって赤みと強いかゆみを伴うのが特徴です。汗疹が慢性化すると湿疹に移行したり、かゆみのために皮膚をかくと細菌感染を起こして膿疱(のうほう)を形成したりすることもあります。

深在性汗疹

紅色汗疹を繰り返すことによって皮膚と真皮の境界部付近の汗管が破壊されるために生じるタイプの汗疹です。

真皮内に汗が貯留するため、炎症による発赤は皮膚表面から見えることはありませんが、白い扁平(へんぺい)な丘疹が散在します。発汗時に多く現れ、かゆみはありませんが、体温調節機能が低下するため、熱中症を発症するリスクが上昇します。

検査・診断

汗疹は、皮膚病変の見た目や症状、環境因子などを総合的に評価して診断されます。水疱や丘疹が見られるため、湿疹との鑑別(見分けること)が必要となる場合もありますが、汗疹は汗管が閉塞する場所によって特定の皮疹の形状を一様に認めるため、湿疹のように多様な形状の皮疹が混在しないのが特徴です。

また、細菌感染によって広範囲に膿疱を生じる場合には、排した膿汁の培養検査を行い、原因菌を特定してそれに適した抗菌薬投与が行われることがあります。

治療

治療方法は、症状の度合いによっても異なりますが、汗をかきやすい環境を避け、こまめに汗を拭くなど皮膚の清潔を保つことで自然とよくなることがほとんどです。

しかし、紅色汗疹が進行して湿疹膿疱となった場合には、副腎皮質ステロイドの塗り薬や抗菌薬よる治療が行われます。

予防

あせもを予防するためには、こまめに汗を拭きとることはもちろん、室内では温度調節をして高温多湿を避けたり、汗をかいたら着替えたりすることなども大切です。

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