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あせも(汗疹)の予防方法と治療方法〜皮膚の清潔・乾燥を保つことが大切〜

あせも(汗疹)の予防方法と治療方法〜皮膚の清潔・乾燥を保つことが大切〜
久保 良二 先生

蒲郡市民病院 皮膚科 部長

久保 良二 先生

目次
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あせもは医学的には“汗疹(かんしん)”と呼ばれ、皮膚の表面に水疱(すいほう)や赤い発疹ができたり、ヒリつきやかゆみが生じたりする病気です。あせもの原因は、汗を分泌し汗の通り道となる“汗管(かんかん)”が、汚れなどのさまざまな原因で閉塞することによって汗管内に汗がたまることで生じます。

本記事では、あせもを予防するための方法や治療法などについて詳しくお伝えします。

あせもは一般的に赤ちゃんや子どもに生じる病気だと考えられています。その理由は、発汗量が多く自分で体温調節をすることが難しいため大人と比較するとあせもになりやすいとされています。しかし、大人であっても多汗症、肥満の方や仕事で汗をかきやすい方など、発汗量の多い方はあせもになる可能性があります。したがって、汗のかきやすい季節を中心にどんな年齢の人でも予防を心がける必要があるでしょう。以下ではあせもの予防方法についてお伝えします。

あせもの予防方法は汗をかきやすい場所を清潔に保ち、汗をかきすぎないよう温度を適正に保ったうえで適度に乾燥させることです。汗をかきやすい部分とは、具体的に胸の下や太ももの内側、(わき)の下などの皮膚同士が接触している時間の長い部分が挙げられます。夏の暑い時期はもちろん、冬の寒い時期でも厚着や過度な暖房などによってあせものできやすい環境が生じる可能性があるため、1年を通して注意するようにしましょう。

また、汗をかきやすくあせもができやすい人の場合、汗のかきやすい部分にボディパウダーをはたいたり制汗剤を利用したりすることで、あせもが発生することを予防できる可能性があります。

あせもの治療方法は“患部を清潔に保つ”“市販薬を用いる”“医療機関で治療を受ける”の大きく3段階に分けられます。一般的には患部を清潔に保つことによって改善されますが、症状の度合いに応じて薬の使用や病院の受診を検討することもあります。以下ではそれぞれの治療方法についてお伝えします。

あせもの症状が生じたら、あせもの予防方法と同様にまずは患部を清潔に保つよう努めましょう。汗をかいたら早めに拭くようにし、患部をシャワーなどで清潔に洗い流すようにしましょう。また、普段から大量の汗をかくことがないよう室内空調や着るものなどを工夫し、温度調節を心がけることで症状の緩和が期待できます。なお、かゆみが生じている場合にかき過ぎて傷を作ってしまうと傷口から細菌が入り込み細菌感染を引き起こすなど別のトラブルが発生する可能性もあるため、かき過ぎないように注意しましょう。

薬局やドラッグストアでは、あせもに対する市販薬も販売されています。ただし、あせもの多くは患部を清潔に保つことによって改善が期待できるので最初から市販薬に頼るのではなく、まずは先述した方法を実践するとよいでしょう。

発疹・水疱などの症状が現れた場合、ステロイドの外用薬(クリームやローション)が必要になる場合もあります。なお、ステロイド外用薬は薬の強さがそれぞれ異なるため、症状の重症度に合わせて選択されます。市販薬を購入する前には薬剤師に相談してみるとよいでしょう。

上述したような治療を実践しても改善が見られない場合、細菌感染、真菌(カビ)感染や別の病気である可能性なども懸念されるため、正確な診断・治療を受けるためにも皮膚科など医療機関の受診を検討しましょう。皮膚科では症状やあせもの原因に応じた治療が行われます。

あせもは皮膚を清潔に保ち、適度に乾燥させることで予防が可能です。また、あせもが生じた場合でもあせもの予防方法を実践することによって症状が治まることが期待できます。

ただし、皮膚の清潔・乾燥を保っていても症状の改善が見られない場合には薬剤師に相談のうえ市販薬の使用を検討するか、薬の効果がなければあせも以外の病気である可能性も考え、病院の受診を検討しましょう。

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