編集部記事

子どもに対するあせも対策とは〜市販薬を使用してもよいの?日常生活の注意点は?〜

子どもに対するあせも対策とは〜市販薬を使用してもよいの?日常生活の注意点は?〜
佐藤 佐由里 先生

山王病院 皮膚科部長

佐藤 佐由里 先生

目次
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あせもは正式に“汗疹(かんしん)”といい、汗をよくかく夏に発症しやすい病気です。子どもは大人よりも汗をかきやすく肌も弱いことから、あせもは子どもに多く見られます。子どもに対するあせも治療のひとつに薬を用いた薬物療法がありますが、日常生活上の工夫によって薬を用いずに自然治癒することもあります。では子どものあせもには、どのような薬が用いられ、日常生活において何に気をつければよいのでしょうか。

本記事では子どもに対するあせもの薬や対策について解説します。

あせもの外用薬は薬局やドラッグストアなどでも販売されています。湿疹かゆみなどの症状がひどくなければ、薬剤師に相談のうえまずはステロイドを含まない市販の外用薬を使用してみてもよいでしょう。ただし、市販薬を使用しても改善しない場合や悪化した場合には薬の使用を中止し、病院を受診するようにしましょう。

病院での治療の基本は塗り薬です。湿疹になっている場合やかゆみが強い場合には、ステロイド外用薬(塗り薬)、抗ヒスタミンの内服薬(飲み薬)などが処方されることがあります。

あせもは汗を原因として発症することから、汗をかきっぱなしにしない、部屋を適度に涼しく保つ、吸湿性のよい寝具を選ぶなどの対策が効果的です。このような対策によって薬を用いなくても治ることが通常で、これは治療だけでなく予防にも効果があります。しかし、通常子どもは自分で対処することが難しいため、保護者が率先して対策を講じることが大切です。

汗をかきっぱなしにしてしまうと汗が汗管(汗の通路)に詰まったり肌が不潔になったりして、あせもが治りにくくなります。そのため、汗をかいたらシャワーで流すことや、濡れタオルで優しく拭き取るなどを行いましょう。ただし、せっけんをつけて洗うのは1日1回で十分です。また、体を洗うときには強く肌をこすり過ぎないようにしてください。衣類にも気を使い、通気性・吸湿性に優れた肌着を着用させて、汗をかいたら小まめに着替えさせましょう。

涼しい環境を作ることで過度な発汗を抑えることができます。あせもがひどいときにはエアコンや扇風機、除湿器などをうまく使いましょう。症状が軽くなったらエアコンを止めて部屋に自然の風を通すことも大切です。

吸湿性の悪い合成繊維の布団、防水性のパッドなどの寝具を使用すると、あせもの悪化につながる場合があります。そのため、寝具は吸湿性のよいものを選びましょう。

あせもは体のあらゆる部位に起こりうるものですが、特に汗が蒸発しにくい部位、肌と肌がこすれる部位によくできます。具体的には肘の内側や膝の裏側、首、(わき)の下などのほか、衣類で覆われた胸や背中なども汗を多くかき、あせもができやすい部位です。また、髪の長い子どもの場合、髪が肌に触れることで額や首のあせもが悪化することがあるので髪を結ったり髪留めを使用したりするなどの工夫も大切です。

さらに、子どもはかゆみが強いと我慢できずかきむしってしまうことがあります。かきむしるとあせもの悪化につながるだけでなく、傷口からの細菌感染の恐れもあるため、かいても傷ができにくいように爪を短く切っておくとよいでしょう。

病院では炎症が強い場合、非ステロイドやステロイドの外用薬、かゆみがあれば抗ヒスタミンの内服薬などで治療を行います。しかし、軽いあせもの場合は日常生活上の対策のみで自然に治る場合が一般的です。汗をかきっぱなしにしない、部屋を適度に涼しく保つ、吸湿性のよい寝具を選ぶなど、まずは対策を講じてみましょう。それでも治らない場合には市販薬を使用したり、病院を受診して治療を受けたりするとよいでしょう。

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