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インタビュー

専門医に聞きたい、乾癬に関する6の質問

専門医に聞きたい、乾癬に関する6の質問
佐藤 佐由里 先生

山王病院 皮膚科部長

佐藤 佐由里 先生

乾癬」は皮膚病の中でも原因不明とされる疾患のひとつであり、未だになぜ起こるのかが解明されていません。今回は、山王病院皮膚科部長であり、乾癬治療を専門に行っていらっしゃる佐藤佐由里先生に、乾癬に関する6つの質問にお答えいただきました。

乾癬の症状は出る部位によって、他の皮膚疾患とよく似てしまうことがあります。そのように区別がつきにくい場合は「皮膚生検」という、皮膚を少し採取して顕微鏡で確認する病理検査を行います。

  • 足の裏のかさついて固くなった皮疹は足白癬(水虫)に間違えられます。足白癬は白癬菌による感染症であり、別の病気です。このふたつは顕微鏡で菌糸を確認して区別します。
  • 爪の乾癬も、爪白癬や爪カンジダ症といった感染症に似ています。こちらも顕微鏡での菌の検査や培養検査を行います。
  • 頭皮の乾癬は「脂漏性皮膚炎」という慢性の頭皮の皮膚炎に似ています。この場合は、他の部位にも乾癬の特徴的な皮疹が出ていれば、乾癬と診断できますが、皮膚生検が必要なときもあります。
  • 顔や体の尋常性乾癬や乾癬性紅皮症は、アトピー性皮膚炎と似ていることがあります。このようなときには皮膚生検を要します。
  • 乾癬の患者さんに関節の痛みがあっても、関節症性乾癬の症状と気付かずにいることもあるため、関節が痛む際にはその旨を必ず主治医に訴えましょう。

かさかさした落屑はついこすって落とすか、むいてしまいがちですが、こすったりしての機械的な刺激を受けると、「ケブネル現象」という紅斑の症状が悪化する現象が起こり、治りが悪くなります。落屑は治療していくと少なくなって消えていきますので、むかないでそのまま薬を塗るように気を付けましょう。

また、ブラッシングや洗髪時にも注意を怠らないようにしましょう。頭皮は乾癬の皮膚症状の出やすい部位で、なおかつ、外用治療に反応が悪い部位でもあります。ここも強くこすり過ぎると、前述のようなケブネル現象を生じる可能性があります。

まとめると、皮膚への過度な刺激を避けることが重要となってきます。ブラッシングや洗髪を含め、こすってしまったり剥いてしまったり、刺激を与えれば与えるほど症状は悪化していきます。

予防としては、擦れやすい場所に起こりやすいということで、まずは擦れないようにする努力が必要です。
また、近年、メタボリックシンドローム乾癬は相関することがわかってきました。太ると乾癬は悪化しますので、太りすぎは禁物です。

さらに、乾癬の患者さんは心筋梗塞など心血管系の病気の頻度も高いことがわかってきましたので、乾癬になった患者さんは自分自身の生活習慣を見直すことも大切です。また、「適度な日光浴」で皮疹が良くなる場合が多いのですが、浴び過ぎは厳禁です。悪化させる場合があります。

以上より、規則正しい食事と生活習慣を心がけることが症状を悪化させないための予防といえます。

上記以外の治療法として、温泉・漢方などがあります。一部の温泉は乾癬に効くと言われ、北海道には乾癬の患者さんが湯治をする温泉があります。また、ヨーロッパでは、死海での特殊な気候や環境を利用した乾癬治療の施設があります。
漢方は、専門医により、個々の患者さんに合った漢方薬が選択され、ある程度の補助的な効果があるようです。

乾癬がかゆいときは、病気の勢いが強いときです。外用療法の場合は強い薬剤に替えるか、抗アレルギー剤のようなかゆみを止める内服薬で対応します。このような対処を行っても良くならない場合は、光線治療や、シクロスポリンなどの内服治療あるいは生物製剤などの全身療法を取り入れます。

現在のところ、乾癬を完治させる根本的な治療は見つかっていません。しかし、シクロスポリンや生物学的製剤などといった治療方法の進歩により、症状がまったく無い状態で生活できる患者さんも増えてきました。

「治療のゴール」を完治に設定するのでなく、「治療により、乾癬の症状を気にしないで日常生活が送れる」ことに設定することは可能です。現在乾癬の治療は世界中で進歩しており、既存の治療方法でまだ症状が残っている患者さんにも、今後さらに良い治療法が必ず出てきます。

乾癬は、皮疹が目立つため、周囲から「感染する病気ではないか」と誤解されることもあり、「温泉やプールに行けない」「衣服から肌を出せない」など日常生活でも不便があります。そのため、患者さんの精神的・社会的なストレスは大きく、QOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)が著しく低下します。QOLを回復させるべく、周囲の理解を得ながら、主治医としっかり話し合った上で自分に最もふさわしい治療法を見つけていくことが非常に重要です。

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