めたぼりっくしんどろーむ

メタボリックシンドローム

同義語
メタボリック症候群
最終更新日:
2020年12月09日
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2020/12/09
更新しました
2017/04/25
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概要

メタボリックシンドロームとは内臓脂肪が過剰に蓄積されていることに加え、血圧上昇、空腹時の高血糖、脂質の異常値などがみられる状態のことをいいます。厳密には病気ではありませんが、脳梗塞(のうこうそく)心筋梗塞などの原因となる“動脈硬化”のリスクを高めることが分かっています。

メタボリックシンドロームとよく似た病態に肥満症があります。メタボリックシンドロームは、腹囲から内臓脂肪の蓄積を確認したうえで、高血圧・高血糖・脂質異常のうち2つ異常がある場合と定義されています。一方、肥満症とは体格指数(BMI)が25以上であり、かつ肥満が原因となる10の健康障害(耐糖能障害・2型糖尿病脂質異常症など)のうち1つ以上がある場合と定義されます。

メタボリックシンドロームは、内臓脂肪が過剰に蓄積することによって代謝異常を引き起こしやすくなるといわれています。40~75歳を対象に年に一度行われる“特定健康診査”は、このメタボリックシンドロームを含め、動脈硬化のリスクの有無を評価するために行われています。

原因

メタボリックシンドロームは運動不足、偏った食生活、睡眠不足など生活リズムの乱れ、ストレス、喫煙といった好ましくない生活習慣が積み重なることによって生じます。特に偏った食事はメタボリックシンドロームに大きく関わっており、適正カロリーをオーバーした食事、脂質・糖質・塩分の多い食事の取りすぎには注意しなければなりません。

症状

メタボリックシンドロームは病気ではないため、特有の症状を述べることは困難です。ただし内臓脂肪が増え、高血圧高血糖、脂質の異常などがさらに進行してしまうと、動脈硬化が促進されたり、その他の生活習慣病を引き起こしたりすることによって何らかの症状が現れることがあります。

動脈硬化とは、加齢、喫煙、高血圧、肥満、運動不足などの危険因子が重なることによって血管の内側の壁が傷ついたり、脂質が沈着したりすることによって弾力性を失うことです。自覚症状はほとんどありませんが、弾力性を失った血管は(もろ)くなって破れやすくなったり、内部が詰まって血行が悪化したりするようになります。その結果、脳出血脳梗塞心筋梗塞大動脈解離大動脈瘤破裂(だいどうみゃくりゅうはれつ)など突然死の原因にもなりうる重篤な病気を引き起こす可能性が高くなるのです。

また、メタボリックシンドロームではこのような動脈硬化による合併症だけでなく、内臓肥満や生活習慣病がそれぞれ悪化することによる症状が現れることも少なくありません。具体的には、過体重による膝痛や腰痛、高血圧による頭痛糖尿病による視力低下や腎機能悪化、末梢神経障害(まっしょうしんけいしょうがい)などが挙げられます。

検査・診断

メタボリックシンドロームの検査として第一に行うのが、腹囲・血圧の計測と血液検査です。

なお、メタボリックシンドロームは“腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上”に加えて、以下のうち2つを満たすものと定義されています。

  • 高トリグリセリド血症かつ/または低HDLコレステロール血症
  • 収縮期血圧130mmHg以上かつ/または拡張期血圧85mmHg以上
  • 空腹時血糖110mg/dL以上

また、メタボリックシンドロームと診断された場合は、それぞれの結果によってさらに詳しい検査が行われることもあります。具体的には、脂肪肝の有無などを調べるための腹部超音波検査や腹部CT検査、血糖値の変動を調べるためのブドウ糖負荷試験などが挙げられます。

治療

メタボリックシンドロームは、好ましくない生活習慣によって内臓脂肪が蓄積されてしまうことが大きな原因となっているため、治療ではまず内臓脂肪を減らすことが検討されます。食事療法や運動療法などによって栄養過多の状態を改善し、内臓脂肪の減少を目指します。

また、メタボリックシンドロームと関連する生活習慣病に罹患している場合には、その病気に対する治療が別途に行われます。

予防

メタボリックシンドロームは好ましくない生活習慣が重なることによって引き起こされます。そのため、メタボリックシンドロームを予防するには食生活や運動習慣、睡眠、ストレス、喫煙習慣などさまざまな生活習慣を改善していくことが必要です。

食事は栄養バランスがよく適正カロリーを守ったメニューを選び、運動は適度なウォーキングなどの有酸素運動をするのがよいとされています。また、生活リズムを整えて疲れやストレスがたまりにくい生活を心がけ、喫煙習慣がある場合には禁煙外来などを利用して禁煙を成功させることがすすめられています。

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