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のうこうそく

脳梗塞

最終更新日
2021年08月31日
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2021/08/31
更新しました
2017/04/25
掲載しました。

概要

脳梗塞とは、脳を栄養する動脈の血行不良により、酸素や栄養を受けている神経細胞が死ぬことでさまざまな症状をきたす病気です。

脳梗塞は、脳卒中のうちの1つです。一時的に血管が詰まる一過性脳虚血発作(TIA)は、24時間以内に完全に元の状態に戻るため後遺症を残すことがなく、脳梗塞とは区別されます。しかし、TIAは脳梗塞の前触れ発作ともいわれ、たとえ完全に元に戻ったとしても直ちに原因を明らかにし、脳梗塞への移行を阻止すべき病気です。

かつて脳卒中の大部分は“脳出血”が占めていましたが、近年は逆転し“脳梗塞”が上回るようになりました。その理由として、高血圧対策の普及と生活習慣の変化による糖尿病脂質異常症の増加が考えられます。

日本では欧米に比べてラクナ梗塞の割合が多い傾向がありましたが、脂質異常症や糖尿病の増加に伴い、アテローム血栓性梗塞が増えています。また、高齢化に伴い心房細動の患者さんが増加しているため、心原性脳塞栓も増えています。

原因

脳梗塞の原因はタイプによって異なります。

ラクナ梗塞

脳の細い血管が詰まることで起こります。

アテローム血栓性脳梗塞

比較的太い血管が動脈硬化により詰まることで起こります。

心原性脳塞栓症

心房細動などの不整脈が原因で心臓の左心房でできた血栓が脳の血管を詰まらせることで起こります。

脳梗塞のリスクファクター

脳梗塞は加齢、男性、脳梗塞の家族歴など、修正困難なリスクファクター(危険因子)のほかに以下のような修正可能な危険因子がありますので、これらの因子を是正することが大切です。

症状

脳梗塞は突然発症します。その多くは片麻痺(へんまひ)や感覚障害など生活に支障をきたす重大な後遺症を残すことがあり、最悪の場合には命に関わる事態になりますので、直ちに対応して後遺症を最小限にすることが極めて重要です。

そのためには初期症状を知って、直ちに緊急受診行動をとることができるようにしておくことが大切です。

発症から1分でも早く脳卒中の対応が可能な病院にたどり着くことが、脳卒中から助かる第一歩です。特に症状が軽い「脳卒中かな?」という症状の場合、「この程度で受診しては大げさではないか?」という思いで受診行動が遅れて治療の機会を失いがちです。いざというときのため、脳卒中?「顔、腕、ことば ですぐ受診」の言葉を覚えて、周囲の方、あるいは自分自身で検査を行い、直ちに受診行動がとれるよう心がけましょう。

顔:「イーッ」と言ってもらう。口の片方だけしか動かないときは異常です。

腕:両手のひらを上に向けて「前にならえ」の姿勢をとらせ、目をつぶってゆっくり5つ数えましょう。片側の腕が下がってくる場合は異常です。

言葉:ろれつが回っていない、言葉が理解できない、話せない場合は異常です。一人暮らしの方なら、いつも話している人に電話してみるのも役に立ちます。

顔、腕、ことばの3つの検査を行って、1つでも異常がある人を脳卒中だと判断したとき、およそ7割当たります。

これは、海外ではACT-FASTとして知られている脳卒中の判断方法です(ACT:行動、F:face、A:arm、S:speech、T:time)。暗記だけでなく、とっさのときに正しくテストできるよう常日頃訓練しておきましょう。

検査・診断

ひとたび脳の血管が閉塞すると、血流再開を得られても元に戻らない不可逆的損傷を被る範囲は次第に拡大していきます。したがって、脳梗塞を疑う症状を自覚したときには迷うことなく病院へ行き、すぐに検査を受ける必要があります。

頭部CTや脳MRIの検査で、まず脳卒中が起きているのかどうかを確認します。特に、脳MRIの拡散強調画像(DWI)で高信号を認めることが確定診断の1つとなります。梗塞が生じている範囲から、どの辺りの血管が詰まっているかを予測できますが、詰まっている箇所を確定するためにカテーテルを用いた脳血管撮影を行うこともあります。

治療

ラクナ梗塞・アテローム血栓症梗塞に対する治療

ラクナ梗塞やアテローム血栓症梗塞に対しては、動脈の中で血栓がつくられるのを防ぐため、抗血小板薬が有用となります。また、頸動脈(けいどうみゃく)に高度の狭窄(きょうさく)を認める場合には、頸動脈内皮剥離術(CEA)という手術によってプラークを除去する方法や、血管内にステントを置いて狭窄部分を広げるステント留置術(CAS)が行われることもあります。

さらに、メタボリックシンドローム高血圧喫煙など、是正可能なリスクファクターの徹底した治療、管理、悪い生活習慣の改善が再発予防につながると考えられます。

心原性脳塞栓症に対する治療

心原性脳塞栓症(左房内血栓)の原因となる血栓は、動脈にできる血栓とは異なり、フィブリンという成分が主体となった血栓を形成します。このような血栓に対する治療としては抗凝固薬が有用です。

抗凝固薬の種類として、これまでワルファリンという内服薬が用いられてきましたが、現在はNOACsと呼ばれる新しい抗凝固薬が登場しています。NOACsはワルファリンとは異なり、直接トロンビンまたは第Ⅹa因子を阻害する薬で、副作用として問題となる頭蓋内出血のリスクが低いと考えられています。

予防

脳梗塞などの脳血管疾患の危険因子として肥満や高血圧糖尿病脂質異常症などの基礎疾患が挙げられます。そのため、脳梗塞予防にはこれらの基礎疾患の治療を継続することのほか、食事・運動・喫煙・飲酒などの生活習慣を改善することを心がけることが大切です。

また、すでに脳梗塞にかかったことがある方では、脳梗塞を予防するための薬物療法を継続し、必要に応じて手術を受けたりすることが大切です。

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