症状
脳梗塞は突然発症します。その多くは片麻痺や感覚障害など生活に支障をきたす重大な後遺症を残すことがあり、最悪の場合には命に関わる事態になりますので、直ちに対応して後遺症を最小限にすることが極めて重要です。
そのためには初期症状を知って、直ちに緊急受診行動をとることができるようにしておくことが大切です。
発症から1分でも早く脳卒中の対応が可能な病院にたどり着くことが、脳卒中から助かる第一歩です。特に症状が軽い場合は、「この程度で受診しては大げさではないか?」という思いで受診行動が遅れて治療の機会を失いがちです。いざというときのために「脳卒中は『顔・腕・ことば』ですぐ受診」のポイントを覚えて、直ちに受診行動がとれるよう心がけましょう。
- 顔:「イーッ」と言ってもらう。口の片方だけしか動かないときは異常です。
- 腕:両手のひらを上に向けて「前にならえ」の姿勢をとらせ、目をつぶってゆっくり5つ数えましょう。片側の腕が下がってくる場合は異常です。
- 言葉:ろれつが回っていない、言葉が理解できない、話せない場合は異常です。一人暮らしの方なら、いつも話している人に電話してみるのも役に立ちます。
顔、腕、ことばの3つの検査を行って、1つでも異常がある人を脳卒中だと判断したとき、およそ7割当たります。
これは、海外ではACT-FASTとして知られている脳卒中の判断方法です(ACT:行動、F:face、A:arm、S:speech、T:time)。暗記だけでなく、とっさのときに正しくテストできるよう常日頃訓練しておきましょう。
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