のうそっちゅう

脳卒中

最終更新日
2021年12月24日
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2021/12/24
更新しました
2017/04/25
掲載しました。

概要

脳卒中とは脳血管に障害が起こる病気(脳血管障害)の総称で、代表的なものには脳血管が詰まる脳梗塞(のうこうそく)と、脳血管が破れる脳出血くも膜下出血があります。脳卒中の主な原因は高血圧で、ほかに喫煙や飲酒などの生活習慣が発症に関わっていると考えられています。

症状は病気の種類によって異なり、脳梗塞や脳出血では意識障害や半身麻痺、言語障害などが、くも膜下出血では激しい頭痛や意識障害などが突然現れます。

また、脳卒中は一命をとりとめたとしても後遺症が残ることが多く、日本で介護が必要になる人のうち約2割が該当するとされています。

原因

脳卒中は大きく脳梗塞脳出血に分けられます。病気の種類により発症するメカニズムは異なりますが、どちらも高血圧が最大の原因です。

脳梗塞とは脳の血管が詰まり、その先に血液が送られなくなることで脳の細胞が壊死(えし)してしまう病気で、高血圧が続き動脈硬化が進行することで引き起こされます。

脳出血は特に脳の深い部分にある細い血管が破れ、脳の中に出血してしまう病気で、高血圧の程度が強い場合に血管が破れることで発症します。

高血圧のほかにも、脳梗塞の発症リスクを高める原因としては不整脈心房細動)、糖尿病脂質異常症喫煙、肥満などが、脳出血やくも膜下出血の発症リスクを高める原因としては喫煙、飲酒などがあります。

症状

脳卒中の症状は発症する病気の種類によって異なります。

脳梗塞脳出血の症状はよく似ており、脳細胞が壊れることで意識障害や半身麻痺・感覚障害(片方の手足や顔の半分が動かない・しびれる)、言語障害(ろれつが回らない、言葉が出てこない)、視野障害などがみられることがあります。

くも膜下出血では激しい頭痛や意識障害が突然現れ、麻痺はあまりみられません。

症状は突然現れることが多いですが、前兆症状として頭痛、めまい、舌がもつれる、手足が動かない・しびれるなどの症状が一時的に現れることもあります。

検査・診断

脳卒中が疑われる場合は1分1秒でも早く治療を開始する必要があるため、ただちに血圧、脈拍、呼吸数などのバイタルサインのチェックを行います。

さらに、発症時の様子や生活習慣病の有無などの問診や症状から脳卒中が疑われたら、血液検査、胸部X線、心電図、頭部の画像検査(CT、MRI造影検査)、頸動脈エコー検査などで脳卒中の種類や異常が発生している部位を調べます。

治療

脳卒中の治療は病気の種類によって異なり、薬物療法、手術療法、外科的治療、内科的治療、血管内治療などがあります。

脳梗塞の治療

主に薬物療法と手術療法が行われます。

中でも中心となるのが血栓溶解薬と呼ばれる血管の詰まりや血栓を溶かす薬による治療です。この治療は、遅くとも発症から4.5時間以内に開始する必要があります。

また、カテーテルを用いた血管内治療により、脳血管の詰まりを機械的に取り除く血栓回収療法を行うこともあります。

脳にむくみがみられる場合などは、頭蓋骨(ずがいこつ)を部分的に外して脳の圧力を下げる開頭減圧手術を行うことがあります。

脳出血の治療

主に薬物療法と外科治療があります。

薬物療法では、血圧を下げる薬や、出血による脳のむくみを取るための抗浮腫(ふしゅ)薬と呼ばれる薬が用いられます。

血腫が大きく、取り除けると判断された場合は手術によって取り除くこともありますが、出血の範囲が小さい場合や出血が大きすぎる場合には手術は行われず、薬物などによる内科的治療が中心となります。

くも膜下出血の治療

くも膜下出血が疑われる場合、十分に安静を取り、血圧を下げる治療が行われます。

さらに、出血の原因となっている動脈瘤(どうみゃくりゅう)(血管のこぶ)に対して、ネッククリッピング術と呼ばれる外科治療やカテーテルを用いた瘤内塞栓術(血管内治療)で、動脈瘤の再出血や再破裂を防ぐ治療を行います。

予防

脳卒中は後遺症のリスクが高い病気であり、脳卒中にならないよう予防に努めることが大切です。

脳卒中は主に高血圧によって引き起こされるため、高血圧の原因となる塩分の高い食事や肥満を改善し、脳卒中のリスクを高める喫煙、大量の飲酒は控えるようにしましょう。

さらに、野菜、果物、大豆製品などの脳卒中を予防する食品を積極的に取り、ウォーキングなどの有酸素運動を続けることも効果的です。

また定期的に健診を受け、高血圧などの脳卒中のリスクとなる病気を早期に発見し、治療や保健指導を受けることも大切です。

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