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くも膜下出血の原因

疾患啓発(スポンサード)

最終更新

2018/09/19

2018 年 09 月 19 日
更新しました
2018 年 06 月 29 日
掲載しました
くも膜下出血の原因
島野 裕史 先生

医療法人春秋会城山病院 脳・脊髄・神経センター

島野 裕史 先生

目次
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くも膜下出血とは、脳の血管にできた(こぶ)が破裂して起こる病気です。くも膜下出血を発症すると、そのうち3分の1が命にかかわるといわれています。しかし、治療によってその転帰は大きく変わる可能性があります。くも膜下出血の原因について、医療法人春秋会 城山病院の島野裕史(しまの ひろし)先生にお話を伺いました。

くも膜下出血とは?

脳表面の動脈から出血し、くも膜下腔に血液が流れ込むことで起こる病気

くも膜下出血とは、脳表面の動脈から出血し、くも膜下腔に血液が流れ込むことで起こる病気で、脳卒中のひとつです。脳は外側から、硬膜、くも膜、軟膜という何層かの膜で覆われており、くも膜と軟膜の間は「くも膜下腔」と呼ばれます。くも膜下出血は、脳表面の動脈から出血し、くも膜下腔に血液が流れ込んだ状態を指します。

くも膜下出血の多くは、脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)(脳の血管にできたこぶ)が破裂することで発症します。(原因については後述します。)

脳の構造

突然に起こり命にかかわる、あるいは後遺症が残ることがある

くも膜下出血は突然に起こります。くも膜下出血の患者さんのうち3分の1の症例が命にかかわり、3分の1に後遺症が残り、残りの3分の1が社会復帰できるといわれています。

治療によって転帰が大きく変わる病気である

くも膜下出血では、脳の表面に急激に血液が流れ込みます。このとき、出血が脳の内部に浸透するほど危険な状態に陥りやすいことがわかっています。このように、くも膜下出血は急激に発症するため治療が難しい病気とされていますが、治療によってその転帰(病気が経過してほかの状態になる)が大きく変わる可能性があります。

くも膜下出血を早期に発見し治療を行うためには、くも膜下出血についての正しい知識を持つことが重要です。

患者さんは男性:女性=1:2で、女性に多い

一般的に、日本におけるくも膜下出血の患者さんは男性:女性=1:2で、女性に多くみられることがわかっています。男性では50代がピークで、女性の場合は50〜70代に多く70代後半がピークです。治療法や薬、啓蒙活動の進歩によって、2000年以降のくも膜下出血の患者数は減少の傾向がみられます。

基本的に若年での発症は少ない

基本的に、若年性(50歳くらいまで)のくも膜下出血は少ないとされています。脳卒中全体でみると、50歳以下における発症は1割未満です。

くも膜下出血の原因とは?

脳動脈瘤の破裂が原因の多くを占める

くも膜下出血の多くは、脳動脈瘤の破裂を原因として起こります。

そのほかに脳動静脈奇形脳動脈解離なども原因になります。また、まれではありますが脳腫瘍や血管の病気、外傷などを原因とするくも膜下出血もあります。

【くも膜下出血の原因】

  • 脳動脈瘤の破裂
  • 脳動脈奇形(AVM)
  • 脳動脈解離
  • 脳腫瘍
  • 血管疾患(血管の病気)
  • 外傷

脳動脈瘤の破裂

脳動脈の一部が膨らんでできた瘤を「脳動脈瘤」と呼びます。お餅や風船が膨らむようなイメージで、脳動脈も膨らむと徐々に壁が薄くなっていきます。そして、何らかのきっかけで血圧が上昇したときに脳動脈の内圧が上がって壁が破れ、くも膜下出血を引き起こします。

脳動脈瘤は、動脈硬化や血管の先天性疾患(生まれつきの病気)などを原因として発生します。

脳動脈奇形(AVM)

脳動静脈奇形とは、脳の血管に生じる先天的な病気です。脳動静脈奇形では、毛細血管が適切につくられず、動脈と静脈が直接つながって異常な血管の塊(ナイダスといいます)を形成することがあります。

脳動脈解離

脳動脈解離とは、脳動脈の内弾性板、中膜、外膜という3つの層のうち、内弾性板が大きく断裂し、中膜に血液が侵入した状態を指します。脳動脈解離には瘤化するものがあり(解離性脳動脈瘤といいます)、この瘤が破裂すると、くも膜下出血を引き起こします。

血管内腔

頭部外傷

転倒や殴打などの外傷によって脳の表面から出血し、くも膜下出血をきたすことがあり、これを「外傷性くも膜下出血」と呼びます。単純に外傷だけを原因とするくも膜下出血は、脳動脈瘤が破れやすい原因を有さないため、ほかと区別されます。

しかし、くも膜下出血の症状には意識障害があるため(詳しくは記事2『くも膜下出血の症状』をご覧ください)転倒などを引き起こすことがあり、くも膜下出血の原因は判別が難しいケースもあります。よって、詳しく検査を行うことが重要です。