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くも膜下出血の症状
くも膜下出血とは、おもに脳の血管にできた瘤(こぶ)が破裂して起こる病気です。くも膜下出血を発症すると、「ハンマーやバットで殴られたような」激しい頭痛とともに、意識障害が起こることが多いとされてい...
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くも膜下出血の症状

公開日 2018 年 06 月 29 日 | 更新日 2018 年 07 月 02 日

くも膜下出血の症状
島野 裕史 先生

医療法人春秋会城山病院 脳・脊髄・神経センター

島野 裕史 先生

目次

くも膜下出血とは、おもに脳の血管にできた(こぶ)が破裂して起こる病気です。くも膜下出血を発症すると、「ハンマーやバットで殴られたような」激しい頭痛とともに、意識障害が起こることが多いとされています。くも膜下出血の症状について、医療法人春秋会 城山病院の島野裕史(しまの ひろし)先生にお話を伺いました。

くも膜下出血の症状

おもに非常に激しい頭痛・意識障害が起こる

くも膜下出血には、以下の症状があります。

  • 非常に激しい頭痛
  • 意識障害(意識が朦朧とする、意識を失うなど)
  • 嘔吐、めまい

くも膜下出血の症状

非常に激しい頭痛

くも膜下腔への出血が生じると、くも膜の外側にある硬膜が圧迫されることで非常に激しい頭痛が起こります。この頭痛は非常に激しい痛みを伴い、通常の頭痛と明らかに異なるとされています。

【くも膜下出血で起こる頭痛の特徴】

  • 突然に起こる
  • 「バットで殴られたような」非常に激しい痛み
  • 頭全体(頭の深部)で痛みを感じる
  • 意識障害を伴うことがある

意識障害

くも膜下出血では、非常に激しい頭痛とともに、意識を失うなどの意識障害が起こることがあります。出血の度合いによって、意識障害の重症度は異なります。出血が少量の場合には、意識障害がなく頭痛だけが起こるケースもあります。

嘔吐、めまい

くも膜下腔への出血が多量の場合、急激に頭蓋内圧が上昇(頭蓋内圧亢進(ずがいないあつこうしん))することで、嘔吐めまいなどが起こりえます。

くも膜下出血に前兆はあるの?

前兆なく脳動脈瘤が破裂し、突然症状が起こることが多い

脳動脈瘤があるだけでは、特別な状況を除いてほとんど症状が起こりません。多くの場合、脳動脈瘤が突然に破裂して初めて激しい頭痛や意識障害などの症状が起こります。

しかし、ケースによっては、警告出血による軽度の頭痛や、内頚動脈の近くにできた動脈瘤によって目の症状は前兆として現れる可能性があります。

(1)警告出血による頭痛

くも膜下腔への微小の出血(警告出血)によって、頭痛が起こることがあります。しかし、「いつもよりひどい頭痛」「風邪の症状」などと間違った解釈で見過ごされてしまうこともあります。くも膜下出血を早期に発見するために、このようなケースは回避せねばなりません。

警告出血は、その後急激に症状が現れるリスクをはらんでいます。いつもと違う頭痛だと感じたときには、すぐに病院の脳神経外科を受診してください。

(2)内頚動脈に発生した動脈瘤による目の症状

内頚動脈(ないけいどうみゃく)という血管に動脈瘤が発生し、動眼神経(眼球運動にかかわる神経)が圧迫された場合、以下のような目の異常が起こることがあります。

  • ものが二重にみえる
  • 瞼が下がる

など

動眼神経の症状を伴う内頚動脈に発生した動脈瘤は、破裂しやすく、危険度が高いとされています。そのため、瞼が下がる、ものが二重にみえるといった目の症状が現れたときには、すぐに病院を受診しましょう。このような状況は「待ったなし」です。

どのような状況でくも膜下出血は発症するの?

激しい運動や入浴など、いきむ行為によって血圧が乱高下した状況が多い

くも膜下出血は、いきみ(息を込めておなかに力を入れる)を伴う行為によって血圧が乱高下(急激な上昇・下降)する、以下のような状況で起こりえます。

  • 激しい運動
  • 重いものを運ぶ
  • 鼻をかむ
  • 入浴
  • 排便、排尿
  • 性行為
  • 精神的興奮(怒るなど)

くも膜下出血は、頭痛と同時に意識障害が起こることが多いため、道に倒れているところを発見されるケースも少なくありません。

くも膜下出血の症状による分類

「Hunt and Kosnik(ハントアンドコスニック)分類(1974)」では、症状によって、くも膜下出血をグレード0から5に分類します。

・グレード0:未破裂の動脈瘤

・グレードⅠ:無症状か、最小限の頭痛および軽度の項部硬直をみる

・グレードⅠa:急性の髄膜あるいは脳症状をみないが、固定した神経学的失調のあるもの

・グレードⅡ:中等度から強度の頭痛、項部硬直をみるが、脳神経麻痺以外の神経学的失調はみられない

・グレードⅢ:傾眠状態、錯乱状態、または軽度の巣症状を示すもの

・グレードⅣ:昏迷状態で、中等度から重篤な片麻痺があり、早期除脳硬直および自律神経障害を伴うこともある

・グレードⅤ:深昏睡状態で除脳硬直を示し、瀕死の様相を示すもの

引用元:http://www.jsts.gr.jp/guideline/182_184.pdf

島野裕史先生からのメッセージ

前兆といえる症状が現れた場合には脳神経外科を受診する

これまでお話ししたように、くも膜下出血は脳動脈瘤が破裂するまで無症状であることが多いです。そのため、警告出血による頭痛や瞼が下がるといった、前兆といえる症状が現れた場合には、まずは病院の脳神経外科を受診しましょう。そこで未破裂の脳動脈瘤を発見できれば、くも膜下出血を未然に治療することが可能になります。

いきんだときにいつもと違う頭痛が起こった場合は放置しない

くも膜下出血の症状は、激しい運動をする、重いものを運ぶなど、いきんだときに起こることが多いです。そのため、いきむ行為のあとにいつもと違う頭痛が起こった場合には、絶対に放置せず、ただちに病院(脳神経外科)を受診してください。

もし何も発見されなければ安心できますし、早期にくも膜下出血をみつけられれば治療の可能性は上がります。「ただの頭痛」と思わずに、きちんと検査することが大切だと考えます。

くも膜下出血 (島野 裕史 先生)の連載記事

大阪医科大学医学部を卒業後、大阪医科大学付属病院 脳神経外科学教室に入局。畷生会脳神経外科病院などを経て、2017年より現職。脳神経外科、特に脳血管障害(脳卒中)を専門とし、患者さんが安心できる治療を提供し続ける。

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