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乳がん検診へ行こう!「しこり」がみつかる前にできること
乳がんは12人に1人がかかるとされており、日本の女性が最もかかりやすいがんといわれています。一方で乳房は体表に面しているため症状を自覚しやすかったり、今日では検診の受診が積極的に啓蒙されているた...
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乳がん検診へ行こう!「しこり」がみつかる前にできること

公開日 2015 年 10 月 10 日 | 更新日 2018 年 07 月 05 日

乳がん検診へ行こう!「しこり」がみつかる前にできること
メディカルノート編集部 [医師監修]

メディカルノート編集部 [医師監修]

乳がんは12人に1人がかかるとされており、日本の女性が最もかかりやすいがんといわれています。一方で乳房は体表に面しているため症状を自覚しやすかったり、今日では検診の受診が積極的に啓蒙されているため、早期発見し比較的治りやすいがんでもあります。そんな乳がんにまつわる疫学、症状、そして早期発見のために何より大事な「検診」についてご紹介いたします。

乳がんの疫学(患者数、死亡数)。女性の12人に1人がかかるって本当!?

日本の2013年の乳がん死亡数は女性約13,000人で、女性ではがん死亡全体の約9%を占めます。2011年の女性乳がんの罹患(りかん)数(全国推計値)は、約72,500例(上皮内がんを除く)で、女性のがん罹患全体の約20%を占めます。女性の乳がんは、30歳代から増加をはじめ、40歳代後半から50歳代前半でピークを迎え、その後は次第に減少します。

また、一生のうちに約12人に1人が乳がんと診断されており、最近の出生者ほど死亡率・罹患率が高い傾向にあります。

乳がんは「治りやすいがん」

乳がんは先ほども述べたように、12人に1人がかかるとされており、日本の女性が最もかかりやすいがんです。一方で、死亡数は第5位であり、乳がんは比較的治りやすいがんといえます。(2013年の女性がん死亡数は大腸、肺、胃、膵臓、乳房という順位)

乳がんの原因とは?いくつあてはまるかセルフチェックしてみよう

はっきりとしたことは分かっていませんが、乳がんの発生には女性ホルモンのエストロゲンが深く関わっていることが知られています。

また、統計的な調査により乳がんの危険因子が徐々に明らかにされています。

  • 年齢(40歳以上)
  • 未婚の人
  • 初産年齢が遅い人
  • 出産経験がない人
  • 初経年齢が早い人
  • 閉経年齢が遅い人
  • 閉経後、肥満の人
  • 血縁者に乳がんになった人がいる人
  • 良性の乳がんになったことがある人
  • 授乳歴がない人
  • 経口避妊薬の使用や、閉経後の女性ホルモン補充療法など、体外からの女性ホルモン追加を行っている人

乳がんは、体内のエストロゲン濃度が維持されている期間が長いほど、発症リスクがあがるといわれています。

妊娠中は体内のエストロゲン濃度が抑えられますので、出産経験のない女性はより乳がんの発症リスクが上がります。また、初経が早く、閉経が遅いことも身体がエストロゲンに暴露される期間が長いことを意味します。

さらに、脂肪細胞でもエストロゲンがつくられるため、成人してからの肥満も危険要因とされ、特に、閉経後の肥満は危険要因であることがわかっています。

  • 乳がんの原因については、虎の門病院 臨床腫瘍科部長 高野 利実先生のこちらの記事をご参考ください。

乳がんの原因は?

男性も無関係ではない!?男性の乳がんについて

乳がんは女性だけの病気であると思われがちです。しかし非常に稀ですが、乳がんは男性にも発症します。(男性乳がんの症例数は乳がん症例全体の1%未満程度)乳がんはどの年代の男性にも発症しますが、通常は60〜70歳の男性に発見されることが多くなっています。

男性は乳がん検診がないことやしこりに気づいても放置されていることがあるため、診断時に進行している場合が多くあります。しかし、診断時の病期が同じであれば、男性の乳がんの生存率は女性の乳がんの生存率とほぼ同様です。男性でも、胸に何かしら異変を感じたら病院を受診することをお勧めします。

4つある乳がんの種類

乳がんには大きく4つの種類があります。その中でも炎症性乳がんや乳頭のパジェット病は全乳がんの1%未満の稀なものです。

浸潤性乳管がん:乳房内の乳管の内面を覆う細胞層から発生し、さらにその層を越えて拡がっていくがんです。しこりを触れる乳がんのほとんどはこの浸潤がんです。

非浸潤性乳管がん:乳管の内面を覆う層に異常な細胞が発生したもので、乳管内がんとも呼ばれます。「乳管」や「腺葉」の中にがん細胞がとどまっている段階のがんで、しこりを触れないことが多くあります。

炎症性乳がん:乳房のしこりがはっきりしないが、乳房が赤く腫れあがって痛みや熱が生じてくるという特徴をもちます。がん細胞がリンパ管の中で増殖してリンパ管に炎症を引き起こしています。

乳頭のパジェット病:乳頭の下の乳管から発生して乳頭の表面上まで増殖してくる腫瘍です。乳頭(ちくび)が炎症したように赤くなり、皮膚がはがれ「びらん」という状態になります。

乳がんの症状。しこりがないか触って確かめよう!

自身で気づく症状は以下の通りです。

乳房のしこり

進行すると腫瘍が大きくなり、注意深く触るとしこりがわかるようになります。ただし、しこりのすべてが乳がんというわけではありません。どちらにせよ、少しでも異変を感じたら病院を受診することが大切です。

乳房のエクボなど皮膚の変化

乳がんが乳房の皮膚の近くに達すると、エクボのようなくぼみできたり、乳頭や乳輪部分がただれたり、湿疹(しっしん)できます。皮膚がオレンジの皮のように、むくんだように赤くなったりします。乳頭の先から血の混じった分泌液が出ることもあります。

乳房周辺のリンパ節の腫れ

乳がんは以下のリンパ節に転移しやすいといわれています。(乳がんの領域リンンパ節といわれている)

  • 腋窩(えきか)リンパ節:わきの下のリンパ節
  • 内胸リンパ節:胸の前方中央を縦に構成する胸骨のそばのリンパ節

腋窩リンパ節が大きくなると、わきの下などにしこりができたり、リンパ液の流れがせき止められてしまうことにより、腕がむくみ、腕に向かう神経を圧迫して腕がしびれたりすることがあります。

遠隔転移による症状

転移した臓器によって症状は異なり、症状が現れないこともあります。

領域リンパ節以外のリンパ節が腫れている場合は、「遠隔リンパ節転移」といい、他臓器への転移と同様の扱いになります。

  • 骨転移:腰、背中、肩の痛みなどが持続する場合に疑われます。骨折を起こす危険もあります(病的骨折)。
  • 肺転移:息苦しさや咳が出るなどの症状があります。
  • 肝臓転移:症状が出にくいですが、肝臓が大きくなると腹部が張ったり、食欲がなくなり、痛みや黄疸が出ることもあります。

「検診」と「健診」の違いとは?

「検診」と「健診」の違いをご存知でしょうか。どちらも「けんしん」と読みますが、2つの言葉には違いがあります。

健診:「健康診断」の略です。健康診断とは、血圧や血糖値など、何かしらの異常がないかを調べるものです。

検診:検診とは、ある病気を見つけるためにそれに必要な検査を行うものです。

多くの方が、大腸がんの検診を受けて乳がんが見つかるとは思っていないと思います。それは乳がんを見つけるには乳がんの「検診」が必要であるからです。一方、「健康診断」は身体に何かしらの異常がないか、身体は正常であるかを調べるものですので、糖尿病を患っていたということが思いも寄らずに分かるということが起こり得ます。

乳がん検診の受診方法

乳がん検診の受診方法は主に以下の3つです。

自治体が実施しているがん検診

40歳以上を対象とする場合が多く、2年に1度自治体から検診の案内が届きますので、特定の検診施設などで受けることができます。費用の一部を補助してくれるため低価格で行うことができます。(無料~3,000円前後)

職域検診

働いている方の場合は、勤務先の健康保険組合または事業所(会社など)で行っている年1回の定期健康診断と併せてがん検診が行われることが多いです。対象年齢は職場によって異なります。自ら調べて医療機関の予約をしなくても検診の機会を得られ、また費用の一部を補助してくれるため低価格で行えます。

個人検診(自費検診)

対象年齢の制限がなく、ご自身で施設や検診内容などを自由に選んで受診することができます。しかし、検診には健康保険が使えないため全額自己負担になり、施設によって金額は異なるので受診前に確認が必要です。

乳がん検診をうけるべき年齢については、虎の門病院 臨床腫瘍科部長 高野 利実先生のこちらの記事をご参考ください。

乳がん検診―何歳になったら受けるべき?

「対策型検診」と「任意型検診」とは

先ほど、乳がん検診の受診方法について述べましたが、この3つには検査項目や費用の面で少し違いがあります。その違いとは、「対策型検診」か「任意型検診」であるかということです。この違いは乳がん検診だけでなく、がん検診全般に当てはまる内容です。

対策型検診:市町村などの自治体が行う検診のことをいいます。自治体の税金で賄われており、検査内容も自治体で指定されたものになります。

これは「①自治体が実施しているがん検診」を指します。

任意型検診:人間ドックや会社で受ける検診のことをいいます。これは税金を使わず、企業や個人が費用を負担することで自由に受けることができます。これは「②職域検診、③個人検診」を指します。

乳がん検診の内容。マンモグラフィー、乳房超音波とは?

乳がん検診は主に以下のような流れで行われます。検診内容は、記事3(リンク)でご説明したように、自治体や職場など受診方法によって異なります。

問診

生理周期などの月経の状況、妊娠や分娩、授乳の経歴、これまでの検診の判定などを行います。

視触診

乳房にくぼみがないかを目で観察し、手で触れてしこりの有無やリンパ節が腫れていないか、乳頭からの分泌物がないかなどを観察します。触診ではある程度の大きさになったしこりしか発見できません。しこりがすべて乳がんというわけではありませんが、視触診だけでは、もし乳がんであったとしても、ある程度の大きさにならないと発見できない可能性があります。しかし、乳腺組織の発達した閉経前の女性の場合には、マンモグラフィでは小さな影が見えにくくなる場合がありますので、医師による視触診も合わせて行います。

乳房X線検査(マンモグラフィ)

乳房を片方ずつ、2つの板で挟み、乳房を平らにしてX線撮影をします。圧迫すると、写真がぶれず乳房内部の様子を鮮明に写し出すことができ、さらに、放射線の被曝線量を少なくすることができます。圧迫の際は、人によっては痛みを感じる場合がありますが、少ない被曝量で鮮明な写真を撮影するため、つまり女性の身体を第一に考えての痛みなのです。検査自体は10分程度ですが、圧迫は数十秒間です。生理前の1週間を避けることをお勧めします。また、乳房の大小にかかわらず検査は可能で、視触診では発見できない早期がんの発見が可能になります。

乳房超音波(エコー)検査

超音波を使って乳房の病変を検査する方法です。乳腺密度の高い人や若い人への検査に適しているといわれており、マンモグラフィと合わせて行うことで、腫瘍の早期発見に繋がるのではないかと期待されています。また超音波検査の有効性についても臨床試験が行われています。

その他、MRIなどの検査も自費検診では選択することができます。

乳がん検診と遺伝子検査。遺伝性乳がんとは?

乳がんは遺伝性と思われている方も少なくないのではないでしょうか。しかし、遺伝性の乳がんは全乳がんの5〜10%といわれており、乳がん全体で考えると遺伝的になる方は比較的少ないといえます。ただし、「BRCA1」あるいは「BRCA2」という遺伝子を持っていると、乳がんを発症する確率が高くなることも事実です。この遺伝子を持っている方の乳がんのタイプには主に以下のような特徴があります。

  • 比較的若くに発症する
  • 転移しやすい
  • 進行が早く、予後が悪い

この遺伝子を持っている方は、検診の頻度を上げ、検査内容を増やすなどの対応が必要になる場合もあります。また、この遺伝子は卵巣がんにも関係しているため、卵巣がんの検診も受診してください。

しかし、遺伝子検査は健康保険の適用外で高額な検査でもあります。「遺伝カウンセリング」では、遺伝子検査自体を受けるべきかどうかの相談に乗ってくれますので、不安や疑問に思っている方はカウンセリングを受けることをお勧めします。

マンモグラフィによる被曝はほとんど健康に影響がない

乳がんの検査のひとつであるマンモグラフィによる被曝の影響は、ほとんどないと考えていただいて問題ありません。人は外出や、飛行機に乗るなどの日々の生活でも被曝しています。マンモグラフィ1回の被曝量は、一般の人が1年間に受ける自然放射線量の50分の1程度です。乳がん検査を毎年受けても、健康に影響はありません。

乳がんの検診の頻度

自治体が実施している乳がん検診は、自治体により異なりますが、多くの自治体では「2年に1度」としています。これは、「がん検診に関する検討会(厚生労働省)」において、乳がん検診の受診間隔は、「2年に1度」が適切であるとされたからです。

しかし、「2年に1度でなければならない」というわけではありません。またそれ以上の頻度では意味がないのではありません。むしろ、前回の検診と次の検診の間隔が短くなればなるほどしこりの早期発見が可能になります。

毎年検診を行う場合、職域検診や個人検診などになるため自費がかかる場合もありますが、心配な方は自治体の検診と合わせて、毎年検診を受けることをお勧めします。

超音波検査の有効性は現在臨床試験中

日本人女性の胸は、海外の女性と比べると脂肪が少なく、乳腺が詰まった胸(高濃度乳腺)です。マンモグラフィで撮影したレントゲンでは、脂肪としこりを見分けることは容易ですが、乳腺としこりを見分けるのは困難といわれています。特に閉経前の女性は乳腺が多く、マンモグラフィだけでしこりを見分けるのは難しくなりますので、40代の方はマンモグラフィと超音波検査を受けるのが良いのでしょう。

超音波検査の有効性は現在臨床試験が進んでおり、マンモグラフィと超音波検査を併用して受けることで、さらに乳がんの発見率が上がるのではないかと期待されています。

治療ガイドラインは日本乳癌学会HPで

乳癌学会

「メディカルノート編集部」の記事も、医師監修のもと提供させていただいております。

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