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公開日 : 2016 年 12 月 27 日
更新日 : 2017 年 05 月 08 日

乳がんの種類と治療-ステージのみで手術法や薬剤は決まらない

東京医科大学 乳腺科 主任教授
石川 孝先生

乳がん」とは、ひとつの病気ではありません。増殖性などの特徴や薬の有効性などは、性質により異なるため、単にがんの大きさや転移の有無で決まる「病期」のみで分類することはできません。つまり、“ステージ1ならば安心、ステージ3だと絶望的”というわけではないのです。本記事では、乳がんの種類(タイプ)と、それぞれの特徴に応じた治療法について、東京医科大学病院乳腺科主任教授の石川孝先生にご解説いただきました。

乳管がんと小葉がん-乳管から発生するがんが9割

乳がんを知るには、まず乳房の構造を知る必要があります。成人女性の乳房は、乳腺と脂肪などから成り立っており、乳がんは乳腺の乳管と小葉から発生します。

乳棒の構造(イラスト)

「乳管」とは乳汁を乳頭へと運ぶ組織、「小葉」とは乳汁を作る組織です。

乳がんの約90%は、乳管に生じる「乳管がん」であり、小葉から発生する「小葉がん」はそう多くはありません。

ただし、イラストをみてもわかるように、小葉はぶどうの房のごとく密集しているため、小葉がんの病変の範囲を正確に診断することも、乳管がんに比べると難しく、また、複数の小葉にがんが多発していることもあり、結果として切除範囲が広くなることもあります。

もちろん、乳がん手術の基本は部分切除であり、小葉がんと診断されたとしても必ず全切除術になるわけではありません。しかし、がんの種類により手術の方法(術式)が変わることもあるため、「乳管と小葉のどちらから生じたか」という病理結果は大切なのです。

非浸潤がんと浸潤がんの違いとは?

治療選択のためには、乳がんを「非浸潤がん」と「浸潤がん」にわけて考える必要もあります。

【非浸潤がんとは】

非浸潤がんとは、乳管もしくは小葉にとどまっているがんであり、手術のみにより治すことができます。非浸潤がんは「しこり」を触ないことが多くあります。

【浸潤がんとは】

一方、浸潤がんとは、がんが乳管外へと広がった(浸潤した)ものです。浸潤した時点で転移を考えなければならないため、全身治療(薬物療法)が必要になります。

上記の異なる視点による分類を組み合わせ、以下のようなパターンで乳がんを捉えると、理解が進みやすくなります。

  • 非浸潤性乳管がん
  • 浸潤性乳管がん
  • 非浸潤性小葉がん
  • 浸潤性小葉がん

ただし、乳がんの治療選択は、このような分類だけをみて決めるものではありません。次項では、最も重要ともいえる「乳がんの性質」について解説します。

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