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インプラントによる乳房再建
横浜市立大学附属市民総合医療センター形成外科部長の佐武利彦准教授は、自家組織よる乳房再建術において日本でトップクラスの技術と実績を持つパイオニアです。今回は乳房再建術のもうひとつの柱である「イン...
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インプラントによる乳房再建

公開日 2015 年 10 月 08 日 | 更新日 2017 年 05 月 08 日

インプラントによる乳房再建
佐武 利彦 先生

公立大学法人横浜市立大学附属市民総合医療センター形成外科 部長 准教授

佐武 利彦 先生

横浜市立大学附属市民総合医療センター形成外科部長の佐武利彦准教授は、自家組織よる乳房再建術において日本でトップクラスの技術と実績を持つパイオニアです。今回は乳房再建術のもうひとつの柱である「インプラントによる乳房再建」ついてお話をうかがいました。

インプラントによる乳房再建の特徴

インプラントは改良を重ねて従来に比べて安全性が高くなり、バリエーションも増えています。今では単なる代用品ではなく、現実的な選択肢のひとつとなっています。

一般的には乳房の形にあわせてシリコンでつくられたインプラントを大胸筋(だいきょうきん・胸の筋肉)の下に入れるという方法を取ります。切除後の乳房の皮膚の下には薄い脂肪の層しかなく、そこに直接インプラントを入れることができないからです。

胸筋の下にインプラントを入れるためにはスペースを作る必要があります。そこで用いられるのが「ティッシュ・エキスパンダー」です。胸筋の下にティッシュ・エキスパンダーを挿入し、生理食塩水を少しずつ注入すると徐々に膨らみます。こうして時間をかけてゆっくりと筋肉や皮膚を延ばしてやり、あとからティッシュ・エキスパンダーとインプラントを入れ替えます。

ティッシュ・エキスパンダー

※画像は Dr. Nancy Van Laekenサイト 掲載画像をもとに作成

インプラントによる乳房再建のメリット・デメリット

インプラントによる乳房再建術では患者さん自身の組織を使わないので、新たに傷をつくることがないというのが最大のメリットです。ドナー部から組織をとることによって起こる合併症の心配もありません。手術時間も短くて済み、患者さんのからだの負担が少ない再建術であるといえます。

しかし、自然な乳房は年齢や体型の変化で形や大きさが変化しますので、インプラントで再建した乳房とアンバランスになることも考えられます。また、製品の耐用年数にも限界がありますので、十数年後には交換が必要になるといったことも考えておかなくてはなりません。

なお、2014年1月より、アナトミカル型(しずく型)インプラントは保険適応となりました。

退院後のケア

術後、インプラントの周りには生体反応としてカプセル状に被膜ができます。被膜のでき方は患者さんによって異なりますが、被膜に厚みがあり固く縮んでしまうと、インプラントに外から力が加わり変形することがあります。また、患者さん自身も違和感や痛みを覚えることがあります。このような状態を被膜拘縮といいます。

最近のインプラントは材質や形状が工夫され、より柔軟性のある被膜を形成するようになってきていますが、患者さんのからだの状態などにも左右されます。被膜拘縮の状況・程度により、ケアや治療法が異なります。

まれにですが、被膜拘縮の症状が強いなど、どうしてもからだに合わないという方もいらっしゃいます。そのような場合は後から穿通枝皮弁による乳房再建を行うことも可能です。

横浜市立大学附属市民総合医療センター形成外科 准教授。「穿通枝皮弁」による乳房再建では国内でも数多くの手術症例数を有し、高い成功率を誇っている。「あたたかく、やわらかく、美しい」乳房再建をめざしており、多くの患者さんに信頼されている。近年では遊離脂肪移植による乳房再建の手術手技、術前後ケア法の確立に尽力している。

「乳がん」についての相談が12件あります

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