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インタビュー

公開日 : 2017 年 02 月 03 日
更新日 : 2017 年 09 月 29 日

乳がんの手術ができないケース、その場合の余命は―乳がんの疑問に専門医が回答

乳がんで亡くなる女性は2013年に13,000人を超え、1980年時点と比較すると約3倍になっています。乳がんと診断がつくと治療が始まりますが、症状が進行していると手術を行えないケースが出てきます。では、乳がんはどのようなケースで手術が不可能になり、手術できない場合、その余命はどのように考えるのでしょうか。

乳がん患者さんが抱きやすい疑問について、東京医科大学 乳腺科学分野准教授 山田公人先生に解説いただくとともに、東京医科大学における乳がん治療への取り組みを伺いました。

手術の可能性や余命は「がん転移の状況」を考えることが重要

乳がん患者(胸をおさえる女性)

乳がんの手術ができるか、また余命はあとどれくらいかを判断するには「がんの転移状況」を確認することが重要です。

がん細胞は、比較的初期から他の臓器へ移動をはじめます。乳がんの場合、乳がんの病巣である乳腺組織からリンパや血液を経由して、肺・肝臓・骨などの離れた臓器転移していくと考えられています。これらの微小な転移が、それぞれの臓器で成長し、大きくなると次第に症状が現れます。

乳がん診断後、まずはがんが乳腺の中でどの程度広がっているか、他の臓器に転移していないかを検査します。検査によりがんの広がり・しこりの大きさ・リンパ節転移の有無・遠隔転移の有無を総合的に考慮して、乳がんの重症度を4段階のステージに分類します(TNM分類)。

乳がんではステージ4で手術を行うこともある

通常のがんの場合、ステージ4と診断された患者さんでは、あまり手術のメリットが得られない場合もあります。しかし、乳がんは他のがんと考え方が少し異なります。乳房は、人体の表面に近い部位にあるので切除しやすく、切除しても食事がとれなくなる、歩けなくなるといった手術切除による影響を受けにくい臓器です。そのため、皮膚を破って出血する、病変が感染によって悪臭がするといった症状がある場合には、たとえステージ4であっても手術を行うほうが患者さんにとってメリットが大きい場合があります。

また、他の臓器にがんが転移してしまっている場合でも、体内のがん細胞の量を減らすことを目的に手術を行うことがあります。これは、体内のがん細胞を少なくすることで、がんの進行や症状の抑制を目的とします。しかし、手術を行うことで逆にがん細胞の活動が活発化して病状の進行を早めてしまう場合もあると考えられています。そのため手術を行うかどうかの判断は非常に難しいところです。

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