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インタビュー

公開日 : 2015 年 10 月 06 日
更新日 : 2017 年 05 月 08 日

自家組織による乳房再建

公立大学法人横浜市立大学附属市民総合医療センター形成外科 部長 准教授
佐武 利彦先生

横浜市立大学附属市民総合医療センター形成外科部長の佐武利彦准教授は「穿通枝皮弁(せんつうしひべん)」による乳房再建術において、日本でトップクラスの技術と実績を持つパイオニアです。今回は人工物(インプラント)ではなく、患者さん自身の組織を使った自家組織による乳房再建についてお話をうかがいました。

自家組織による乳房再建の特徴

患者さん自身のからだの組織(自家組織)の一部を使って行う乳房再建には、いくつかの種類があります。

「筋皮弁」法

背中やお腹から組織を移植します。皮膚・脂肪組織・筋肉の一部を使います。

「穿通枝皮弁」法

筋肉を使わず、お腹やお尻、太ももなどから皮膚と脂肪組織を移植します。(関連記事「穿通枝皮弁による乳房再建の特徴」参照)

遊離脂肪移植

お腹や太ももから脂肪を吸引して、そこから不純物を除去して濃縮した脂肪を注入します。(関連記事「遊離脂肪移植による乳房再建」参照)

幹細胞を付加して移植することもあります。

自家組織による乳房再建のメリット・デメリット

人工物(インプラント)ではなく、患者さん自身の組織の一部を使いますので、血が通った自然な感触で、温かい乳房を再建することができます。このことは最大のメリットです。

しかし自家組織による乳房再建術の主流として従来から行われていた筋皮弁法は、移植した組織を生きたまま定着させるために筋肉の一部をとってしまうことが問題を引き起こします。例えばお腹の筋肉をとった場合では、背筋と腹筋のバランスが悪くなって腰痛を起こしたり、内臓が収まっている腹腔内の圧力に耐え切れず、お腹が膨らんでしまうことがあります。

有茎腹直筋皮弁による乳房再建後の腹壁瘢痕ヘルニア

 

穿通枝皮弁法では筋肉をとることはないですし、ドナー部位もある程度希望に合わせてとることができます。しかしそれでも組織をとるために患者さんに新たな傷をつくってしまうというデメリットはあります。

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公立大学法人横浜市立大学附属市民総合医療センター形成外科 部長 准教授

佐武 利彦先生

横浜市立大学附属市民総合医療センター形成外科 准教授。「穿通枝皮弁」による乳房再建では国内でも数多くの手術症例数を有し、高い成功率を誇っている。「あたたかく、やわらかく、美しい」乳房再建をめざしており、多くの患者さんに信頼されている。近年では遊離脂肪移植による乳房再建の手術手技、術前後ケア法の確立に尽力している。

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