
乳房MRI検査が乳がんに対して高い感度を有することが認知され、欧米では乳がん発症のリスクが高い人に対するMRIを用いた乳がん検診が行われつつあります。一方、我が国では乳がん検診にMRIを用いることは一般的ではありません。諸外国の現状と、国内のあるべき姿について、乳腺専門医である京都府立医科大学放射線診断治療学講座講師の後藤眞理子先生にお考えを述べていただきました。
米国の女優アンジェリーナ・ジョリーさんが2013年2月、遺伝子診断により将来乳がんになる確率が非常に高いと診断され、乳がんになる前に予防的に乳房切除を行ったことがメディアに大きく取り上げられました。欧米ではBRCA遺伝子(乳がんや卵巣がんの発症と関係する遺伝子)変異や乳がんの家族歴などのリスクを計算して、乳がん発症リスクが一定以上ある患者さんについては年1回のMRI検査の受診を推奨しているところも多くあります。ただ国内においては、乳がん発症リスクの計算方法がまだ確立されておらず、遺伝子診断も一般的ではありません。このため、現在国内では乳がんスクリーニングにMRIが用いられることはまれです。
私の個人的な考えとしては、対策型検診におけるマンモグラフィ検査は、乳腺濃度の高い方の場合どうしても乳がんが見落とされるリスクが高くなるため、超音波検査をそこに追加するという選択肢がまずは考えられると思っています。MRIによる乳がんスクリーニングについては、造影剤を使用しなければならない点やコストを考慮すると、まずは欧米と同じように乳がん発症リスクを計算するモデルを確立し、高リスク群と低リスク群を分けて適応を考えていく必要があると思っています。。
私は現在、「拡散強調画像」について興味を持って研究を進めています。拡散強調画像は体の中の水分子の拡散の状態を画像化します。がんのように正常の組織に比べて細胞密度が高く水分子の拡散が制限されるような組織は、拡散強調画像で高信号を示します。乳がんも同様で、拡散強調像では造影剤を使用することなく乳がんを描出することが可能です。ADC値と呼ばれる計測値を使って良悪性の鑑別ができるほか、近年はそれに加えて血流情報を拡散強調像で見る手法も応用されています。通常乳房MRI検査では造影剤を使うため、気管支喘息や腎機能低下といった禁忌事項や副作用といった問題が生じますが、拡散強調画像を使えばその問題がなくなります。ただ、質の高い画像を得ることが難しく技術的な課題がまだ多く残されています。
周辺で乳がんの実績がある医師
東京女子医科大学 放射線腫瘍学講座 教授・講座主任
内科、血液内科、膠原病リウマチ内科、外科、心療内科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、緩和ケア内科、消化器内科、内視鏡内科、糖尿病内科、内分泌内科、代謝内科、人工透析内科、脳神経内科、内分泌外科、放射線診断科、精神神経科、総合診療科、病理診断科
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内科、外科、小児科、整形外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、リハビリテーション科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、脳神経内科
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がん研有明病院 乳腺内科 部長
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ゆりかもめ「有明」 徒歩2分、りんかい線「国際展示場」 徒歩4分
公益財団法人がん研究会有明病院 副院長・医療情報部長
内科、血液内科、精神科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、婦人科、眼科、歯科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、腫瘍内科、感染症内科、消化器内科、肝胆膵内科、肝胆膵外科、放射線診断科、放射線治療科、頭頸部外科
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