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乳房再建とは―費用は場合に応じて変わる
乳がんの手術で乳房を失った患者さんだけにしか分からない喪失感と向き合い、再び前向きな気持ちで生活を送れるようになっていただくこと―患者さんの個性に合わせたテーラーメイドの乳房再建術を可能にする最...
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乳房再建とは―費用は場合に応じて変わる

公開日 2015 年 10 月 05 日 | 更新日 2017 年 05 月 08 日

乳房再建とは―費用は場合に応じて変わる
佐武 利彦 先生

公立大学法人横浜市立大学附属市民総合医療センター形成外科 部長 准教授

佐武 利彦 先生

乳がんの手術で乳房を失った患者さんだけにしか分からない喪失感と向き合い、再び前向きな気持ちで生活を送れるようになっていただくこと―患者さんの個性に合わせたテーラーメイドの乳房再建術を可能にする最新技術とはどんなものなのでしょうか。

横浜市立大学附属市民総合医療センター形成外科部長の佐武利彦准教授は「穿通枝皮弁(せんつうしひべん)」による乳房再建術において、日本でトップクラスの技術と実績を持つパイオニアです。この記事では数回に分けて乳房再建術の最前線についてお話をうかがいました。

乳房再建とは

乳房再建とは、乳がん手術によって切除した乳房を形成外科手術によって新しくよみがえらせることをいいます。手術方法によって自家組織(患者さん自身のからだの組織の一部)を使う方法と、インプラント(人工物)を使う方法の2種類に大別されます。

乳房再建の対象になるのは

乳がんの診断結果によって、患者さんと医師が話し合い、治療方針を決定します。選択した手術方法によって切除の程度や乳房再建の方法も異なります。

乳房温存手術+同時(一次)再建術

健常な乳房の組織を残しますが、広めに切除して変形が残る場合、失われた部分を同時再建で補います。

乳房切除術(全摘)+同時(一次)再建術

がんとともに乳房をすべて切除しますが、同時に再建します。

乳房二次再建術

がんとともに乳房をすべて切除し、一定の期間をおいてからあらためて人工物または自家組織で再建します。

ちなみに、抗がん剤による化学療法を受けているときには乳房再建はできません。傷が治りにくく、免疫力が低下しているため創感染もおこしやすくなっているからです。また、転移や再発がないか注意深く経過観察を行ってから再来することもあります。乳腺外科の主治医の許可が出てから再建を行うのがよいでしょう。

乳房再建の費用

乳房再建は保険診療で行われる場合と、自費診療として行われる場合があります。下には乳房再建および乳頭乳輪再建の費用の概算について表にまとめています(保険3割負担)。

費用は入院期間、麻酔法、手術内容、片側もしくは両側などにより違いますので、詳細は治療をお受けになる施設にお問い合わせ下さい。

手術内容

入院期間

麻酔

費用(片側)

費用(両側)

エキスパンダー挿入術

(組織拡張術)

7日間

全麻

15~20万円

20~25万円

インプラント(人工乳房)

による乳房再建術

5日間

全麻

17~22万円

25~30万円

遊離皮弁による乳房再建術

10日間

全麻

40万~45万円

70~80万円

有茎筋皮弁による乳房再建

10日間

全麻

33万~40万円

50万~55万円

乳腺悪性腫瘍手術+

エキスパンダー挿入術

10日間

全麻

30万~35万円

40万~50万円

乳腺悪性腫瘍手術+

遊離皮弁による乳房再建術

10日間

全麻

50万~55万円

95万~100万円

乳頭再建術+

植皮による乳輪形成術

5日間

全麻

12万~14万円

17~20万円

※乳房再建では高額医療費制度を適用できます。年齢や所得に応じて患者さんが支払う医療費の上限が定められています。

※乳房再建に関連して行われる脂肪注入、脂肪吸引、健側の豊胸術、縮小術、固定術、乳輪乳頭への刺青は、保険適応がなく自費診療として行われることが一般的です。

※保険制度での医療費は改定される場合がありますので、最新の情報をご確認下さい。

横浜市立大学附属市民総合医療センター形成外科 准教授。「穿通枝皮弁」による乳房再建では国内でも数多くの手術症例数を有し、高い成功率を誇っている。「あたたかく、やわらかく、美しい」乳房再建をめざしており、多くの患者さんに信頼されている。近年では遊離脂肪移植による乳房再建の手術手技、術前後ケア法の確立に尽力している。

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