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がんに対する緩和ケアとは?−QOL(生活の質)の維持を目的としてがんに伴うつらさを最小限に和らげる

疾患啓発(スポンサード)

最終更新

2019/08/15

2019 年 08 月 15 日
更新しました
2019 年 07 月 22 日
掲載しました
がんに対する緩和ケアとは?−QOL(生活の質)の維持を目的としてがんに伴うつらさを最小限に和らげる
鈴木 正寛 先生

NTT東日本関東病院 緩和ケア科部長

鈴木 正寛 先生

目次
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がんは、痛みや息苦しさ、精神的な負担などさまざまなつらさを伴います。がんに対する緩和ケアでは、そのようなつらさを最小限に和らげ、患者さんのQOL(生活の質)を可能な限り高く保ち、その人らしい人生を歩めるようサポートします。がんに対する緩和ケアのポイントや痛みの種類について、NTT東日本 関東病院、緩和ケア科の鈴木正寛先生にお話を伺いました。

がんに対する緩和ケアとは?

がんに伴うつらさを最小限に和らげること

がんに対する緩和ケアとは、がん治療の有無やステージにかかわらず、「がんに伴うつらさ(痛みや息苦しさ、精神的な負担など)を最小限に和らげること」を指します。がんに対する緩和ケアの目的は、患者さんが可能な限りQOL(生活の質)を高く保てるようサポートすることです。

「緩和ケア=緩和ケアの専門スタッフによるケア」というわけではありません。緩和ケアには、大きくわけて、基本的な緩和ケアと専門的な緩和ケアの2つがあります。

基本的な緩和ケアは、痛みに対する標準的な鎮痛薬処方(消炎鎮痛薬やモルヒネなどを含む)などを指し、多くの場合、主治医を中心に行われます。そして、基本的な緩和ケアでは対応できない場合に、専門的な緩和ケアが必要になります。専門的な緩和ケアでは、緩和医療に関する専門資格を有するスタッフ(身体症状・精神症状をみる医師、看護師、薬剤師、栄養士)を中心としたチームが院内外で連携をとり、ケアとサポートを行います。

緩和ケアとは、決して「人生の最期に提供される医療(終末期医療)」と同義ではなく、がんの初期から、がんを治すための治療と共に行われるべきである、という考え方が徐々に浸透しています。

鈴木先生

がんの痛みの分類−どのような種類があるの?

体性痛

体性痛とは、皮膚、骨、関節、筋肉など、体の骨格をつくる部位に起こる痛みです。鋭い痛みで、痛みが生じている部位がはっきりとしていることが多く、当該部位を動かすと痛みが増すため、日常生活に支障が出やすいという特徴があります。

内臓痛

内臓痛とは、食道、胃、小腸、大腸など管状の臓器(管腔臓器といいます)の炎症や閉塞によって、あるいは肝臓や腎臓など塊の臓器(実質臓器といいます)が腫れるときなどにあらわれる痛みを指します。

体性痛に比べると痛みを生じている場所が不明瞭な傾向にあり、「しぼられるような痛み」「押されるような痛み」などと表現されることが多いです。

内臓痛は、痛みの原因の内臓ではなく、関連した部位に痛みを感じる「関連痛」が生じることがあります。たとえば、すい臓がんではみぞおちと共に背中が痛んだり、肝臓がんでは肩が痛んだりすることがあります。

神経障害性疼痛

神経障害性疼痛とは、体性感覚神経系(痛みを伝える神経)が損傷を受けることで起こる痛みです。がんの場合、腫瘍が大きくなり神経に直接ダメージを与えることで起こり、神経の走行に沿って拡散することがあります。がん以外では、三叉神経痛、帯状疱疹後神経痛、坐骨神経痛などが挙げられます。

痛みの特徴としては「やけどのようにヒリヒリする灼熱痛」「電気がビリビリ走るような電撃痛」と表現されることが多いです。神経障害性疼痛は、骨盤内のリンパ節転移や、大腸、婦人科系のがんで起こる頻度が高いといわれ、また、抗がん剤の治療に伴って起こることもあります。