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いがん

胃がん

最終更新日
2020年07月07日
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2020/07/07
更新しました
2017/04/25
掲載しました。

概要

胃がんとは、粘膜、粘膜下層、固有筋層、漿膜(しょうまく)下層、漿膜から構成されている胃の壁のもっとも内側にある粘膜の細胞が、何らかの原因によってがん細胞になり、増殖を繰り返すことで発生します。

胃がんは徐々に内側の粘膜から一番外側にある漿膜に向かって増殖していきます。さらに進行して漿膜まで達すると、近くにある膵臓や大腸などの臓器にがんが直接広がるようになります。さらに漿膜から剥がれたがん細胞がおなかの中に散って腹膜の表面に生着することもあります。これを腹膜転移と呼びます。また特殊なタイプの胃がんとして、粘膜の下を這うように広がっていくスキルス胃がんがあります。粘膜の表面にがんが現れにくいため、早期に発見するのが難しく、見つかったときにはかなり進行していることも少なくありません。

近年、食生活の変化や検診の普及、治療の進歩などによって、胃がんで亡くなる方の割合は減ってきていますが、高齢化によって胃がんにかかる方全体の数は横ばいとなっています。

原因

胃がんでは、発症に関わる要因がいくつか指摘されています。喫煙習慣、塩分の取りすぎ、またヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)への持続的感染などが、胃がんの発生リスクを高めるとされています。

胃がんとピロリ菌の関連

ピロリ菌は一度感染すると、除菌を行わない限り長期間にわたって胃の中に住み続けます。胃がんの発生とピロリ菌の感染は密接に関係していること分かっており、ピロリ菌の持続感染は胃の粘膜を萎縮させ、胃がんを引き起こしやすい状態をつくりだしていると考えられています。

ピロリ菌に感染している全ての方が胃がんになるわけではありませんが、除菌治療を行うことで、胃がんの発生を低下させることができると指摘されており、近年では除菌治療が積極的に行われています。

症状

胃がんは、がんの小さい早期の段階では症状が現れることは少なく、またかなり大きくなって進行した段階であっても、症状が現れにくいことがあります。

主な症状としては、みぞおちの痛みや不快感、食欲の低下、胸やけ、吐き気などがありますが、これらは胃がん特有の症状というわけではありません。胃炎や胃潰瘍といったほかの病気でも起こることがあるため、検査を行って評価することが必要となります。

そのほか、黒色の便(胃がんからの出血のため)が出たり、体重が減ったりするといった症状から検査を行い、結果的に胃がんと診断されることもあります。

検査・診断

胃がんの検査では、検診などによるスクリーニング検査(胃がんを疑うような異常があるかどうかを調べる検査)と診断・治療方針を定めるために行われる検査などがあります。以下では、それぞれの検査についてお伝えします。

胃がんのスクリーニング検査

胃がんの診断においてまず行われるのは、検診としても行われる胃のX線検査(バリウム検査)や内視鏡検査(胃カメラ)です。早期の胃がんは検診によって発見されることも多く、定期的な検診の受診は、胃がんの早期発見・早期治療のためにも重要となります。

胃X線検査

造影剤バリウムと発泡剤(胃を膨らませるための薬)を飲み、胃の粘膜の状態や胃の形などを確認する検査です。胃X線検査で異常を指摘された場合には、さらに詳しく調べるために、内視鏡検査を行います。

内視鏡検査

口や鼻から内視鏡(胃カメラ)を挿入して、胃の中を直接観察するための検査です。胃がんがあるかどうか、胃の中の小さな病変も見つけることができ、胃がんが疑われる場合にはその部位の組織を一部採取し、病理検査を行うこともあります。

診断や治療方針を定めるために行う検査

スクリーニング検査によって胃がんが疑われる異常が発見された場合、今度は実際にその組織を採取し、がんであるかどうかを確認します。

病理検査

がんの組織や細胞の一部を採取して顕微鏡で詳しく調べる検査です。採取した組織を顕微鏡で詳しく調べ、胃がんであるかどうかを診断します。

画像検査

胃がんの進行度合いを調べるために、腹部超音波検査、注腸検査、CT検査、MRI検査やPET検査などの画像検査が行われることがあります。これらの検査ではがんの深さやリンパ節やほかの臓器への転移の有無を詳しく調べることができ、これを基にステージ(病期)を決定します。

補助的な検査

補助的な検査として、健康診断の際や手術後の再発疑いの確認などで血液検査が行われることもあります。

血液検査

血液検査は補助的な検査として用いられ、貧血があるかどうかや腫瘍マーカーと呼ばれるCEACA19-9の検査を行います。腫瘍マーカーの値が高かった場合、胃がんやそのほかのがんを疑いますが、がんがなくても上昇を示すこともある半面、がんになると必ず上昇するわけではないので、この検査だけでがんの有無を確定することはできません。

治療

胃がんの治療は、進行度や全身の状態によって大きく異なりますが、主に“内視鏡治療”“手術療法(腹腔鏡下手術・開腹手術など)”“薬物療法”などが行われます。以下では、それぞれの治療方法についてお伝えします。

内視鏡治療

内視鏡(胃内視鏡いわゆる胃カメラ)を用いて、胃の内側からがんの部分を切除する治療です。内視鏡による治療は、主に早期の段階でがんが胃の浅い部分にとどまり、リンパ節に転移している可能性がほとんどない場合に行われますが、近年は適応範囲が少しずつ拡大しています。胃が温存されるので、体への負担が小さいことが特徴です。

内視鏡による治療後に、顕微鏡で病理の検査を行います。がんが切除しきれていなかったり、リンパ節転移の可能性が高いと判断されたりした場合には、追加で手術を行う必要があります。また、内視鏡治療では胃が温存されるため、再発のみならず新たながんが発生する可能性が懸念されます。そのため、ピロリ菌検査・除去や定期的な内視鏡検査など、治療後も定期的な経過観察が必要です。

手術療法

離れた臓器への転移(遠隔転移)がなく、内視鏡治療が難しい胃がんの場合には、腹腔鏡下手術や開腹手術によってがんを取り除くことが治療の基本となります。手術では、がんのある部位を切除するのみではなく、周りのリンパ節を取り除くリンパ節郭清(かくせい)を行うためにまとまった範囲の胃(通常は下3分の2、あるいは全部)が切除されます。引き続いて新しく食べ物の通り道を作り直す手術(消化管再建)が行われます。手術で胃を切除する範囲は、がんのある部位や病期(ステージ)の両方を考慮して決定します。

そのほかのがん治療と同様に、胃がん治療においてもロボット支援手術に注目が集まっています。まだ新しい治療方法で今は過渡期といったところですが、その後の技術革新によってよりさらに普及することが期待されています。

薬物療法

胃がんの治療では、手術と組み合わせて術後補助化学療法(がんの再発を防ぐために手術後に抗がん剤治療を行うこと)を行うことがあります。また、がんが進行していて手術で切除できない場合や遠隔転移がある場合、治療後に再発をした場合には、薬物療法(化学療法)が治療の中心となります。

使用される薬物は複数の種類があるため、患者本人と話し合い、がんや全身の状態を考慮しながらどのような薬を使用するかを決めていきます。さらに最近では、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬と呼ばれる薬も登場し、薬物療法の成績が向上しています。

薬物療法に関しては、手術のできない方に対して化学療法を行うことにより、がんが小さくなって手術が可能になるケースが散見されるようになりました。化学療法の効果は患者の状態によって大きく異なるため、手術が可能になるまで縮小するかどうかは、事前に予測はできません。しかし、これにより根治を目指せる胃がんが増えたと考えます。

予防

喫煙習慣や塩分の取りすぎ、野菜や果物の不足、ピロリ菌の感染は胃がんの発症リスクを高めることが知られています。胃への刺激を減らすために禁煙や塩分が高い食品や食事を控え、野菜や果物を積極的に取るようにし、生活習慣を整えることが大切です。

また、ピロリ菌への感染が疑われる場合にはピロリ菌の除菌がすすめられています。家族に胃がんや胃潰瘍十二指腸潰瘍になった人がいる、普段から胃に不快な症状がある場合にはピロリ菌の感染を疑い、一度病院への受診を検討するようにしましょう。

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