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胃がんの症状と原因-胃がんの基礎知識と治療における抗がん剤の役割とは?
胃がんは、日本人に多く見られるがんの1つです。胃がんは、手術によりがんを切除することが根治的な治療につながりますが、術後に再発する例も少なくありません。再発予防に有効である治療法として、術後に適...
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胃がんの症状と原因-胃がんの基礎知識と治療における抗がん剤の役割とは?

公開日 2017 年 08 月 27 日 | 更新日 2018 年 09 月 21 日

胃がんの症状と原因-胃がんの基礎知識と治療における抗がん剤の役割とは?
相馬 大介 先生

国立国際医療研究センター病院 食道胃外科 医師

相馬 大介 先生

胃がんは、日本人に多く見られるがんの1つです。胃がんは、手術によりがんを切除することが根治的な治療につながりますが、術後に再発する例も少なくありません。再発予防に有効である治療法として、術後に適応される抗がん剤を用いた補助化学療法があります。また、手術で切除することができない進行がんや再発がんにも化学療法が適応されます。このように、化学療法は胃がんの治療に大きな効果をもたらすものです。今回は、国立国際医療研究センター病院の相馬 大介先生に、胃がんの原因や治療法、特に化学療法の種類や抗がん剤についてお話しいただきました。

胃がんとは

胃がんとは、胃の壁の粘膜内の細胞が何らかの刺激や炎症によってがん細胞になり、無秩序に増殖を繰り返すことで生じる疾患です。昔はピロリ菌を主な原因とした胃の下部付近に発生することが多かったのですが、近年では食生活の欧米化などの要因により食道と胃の接合部など、胃の上部に発生するがんが増加しています。胃のがんは内側の粘膜から発生しますが、大きくなると胃の内側に飛び出して粘膜下の血管やリンパ管を介して転移したり、胃の壁を全部突き破り膵臓や大腸などに浸潤したり、お腹の中にがん細胞をばらまいたりします。

胃

胃がんには分化型と未分化型がある

また、細胞の成熟をはかる分化度で大きく分類すると、胃がんは分化型と未分化型にわけられます。分化型は、血管やリンパ管に放り込み血管、リンパ管を介して肝臓やリンパ節に転移していくことが多く、一方、未分化型のがんは、お腹の中に種をばらまいたように広がる腹膜播種(ふくまくはしゅ)転移の割合が多く、腸管の閉塞や腹水の増多などの症状をきたすことがあります。

胃がんの原因-ピロリ菌の感染が原因になり得る

胃がんは、ピロリ菌という細菌の感染が原因の1つになることがわかっています。もちろん、ピロリ菌に感染している方が皆、胃がんになるわけではありませんが、罹患するリスクが高まるといわれています。そのため、ピロリ菌に感染している場合、除菌療法を受けることで胃がんになるリスクを軽減することができるでしょう。

また、塩分の多い食生活や喫煙など生活習慣との関連が指摘されています。

以上のことに加え、胃がんは日本人に多いというデータもあるため、40歳以上では検診を毎年受けることが望ましいでしょう。胃がんそのものは遺伝しませんが、特に家族に胃がんの方がいらっしゃる場合には注意が必要です。

胃がんの早期発見には内視鏡検査が有効

胃がんの自覚症状とは?

胃がんの初期症状にはどのようなものがあるのでしょうか。実は、胃がんの初期には症状はほとんどありません。さらに、進行しても症状がでない場合も多いです。

従って、症状から胃がんを判断することは難しいのですが、以下のような症状が出た場合には、胃がんに罹患している可能性があります。

まずは、上腹部(みぞおち)に痛みや違和感が感じられる場合です。たとえば、頻繁に胃の痛みが現れるときは、一度胃がんを疑ってみてもよいと思います。そのほか、ゲップや胃もたれ、吐き気などの一見よくある症状が長期的に続く場合も、注意が必要です。

貧血、血便(黒色便)があるときも、胃がんを原因とする何らかの出血である場合があります。これらは、本来はみられない症状であるため、早めの受診が望まれます。 また、倦怠感、背中の痛みなど胃とは直接関係ないように思われる症状ががんの影響である場合もあるので要注意です。

胃がんの検査には内視鏡検査が有効

胃がんの検査のなかでも、内視鏡検査が早期発見には有効です。そのため、もしも何らかの違和感を覚えることがあれば、なるべく早く内視鏡検査を受けることをお勧めしますし、特に症状がなくても定期的に検診を受けることが重要です。

検査

胃がんの主な治療法-手術・内視鏡治療・化学療法

胃がんの治療法には、主に手術(外科治療)、内視鏡治療、抗がん剤を用いた化学療法があります。治療法はがんの進行度を表す病期(ステージ)にもとづき決定します。以下の図は、胃がん治療のガイドラインにおいて定められている、がんのステージと治療法の関係を表したものです。

胃がんの治療ガイドライン

上記の図からもわかるように、胃がんでは、がんを切除する手術が最も一般的な治療になります。

胃がんの化学療法-切除不能の進行・再発がん、術後の補助療法として

では、胃がんの治療において、どのような場合に化学療法が適応されるのでしょうか。胃がんに化学療法が適応される場合、切除不能の進行・再発がんに対するものと術後の補助療法としての適応があります。

術後の補助療法は、再発の可能性が高くなるステージⅡ以上のがんへの適応が望ましいとされています。

胃がんの化学療法に用いられる抗がん剤の種類

術後の補助化学療法の場合

胃がんの手術後の補助化学療法の場合、第一選択はTS1という抗がん剤です。手術後の補助療法では、このTS1がステージⅡA以上の患者さんに適応されます。ステージⅡA以上の患者さんなので、リンパ節転移や漿膜(しょうまく)にまでがんが進行していた患者さんに対しても広く適応されます。

また、近年では、ステージⅢ以上の患者さんに対してカペシタビンとオキサチプラチンを併用したゼロックス療法も保険適用となりました。

切除不能進行・再発胃がんの場合

胃がんの患者さんの10~20%には、HER2(ハーツー)と呼ばれるたんぱく質ががん細胞の増殖に関与しているケースがあり、その場合は下記の図のように使用する薬剤が異なります。

her2と抗がん剤の関係

そのため、化学療法の開始前にHER2検査を実施し、その結果により使用する薬剤を決定します。たとえば、HER2検査の結果、陽性の場合には、分子標的薬(がん細胞の持つ特異的な性質を分子レベルでとらえ、それを標的として効率よく作用するようにつくられた薬)のトラスツズマブと抗がん剤を併用した化学療法がおこなわれます。

HER2検査の結果、陰性の場合には、一時療法として上記の図の通りS-1またはカペシタビンとシスプラチンの併用療法が選択されます。また、シスプラチン以外にS-1とオキサリプラチンを用いたSOX療法も1次療法の選択肢の一つとされています。またラムシルマブなど分子標的薬の効果も明らかになってきています。

このため、近年では、手術でがんを切除することができないほど進行した患者さんに対する化学療法の効果が認められており、化学療法により長期にわたり生存する例も増えてきています。

記事2『胃がん再発時の「腹膜播種」最新治療など、これからの胃がん治療とは?』では、胃がんの化学療法の現状や今後の展望などについてお伝えします。
 

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上部消化器外科領域の手術,化学療法を専門としているが、その他一般外科も幅広く診療している。各々の患者さんにとって最良の医療を提供できるようにチーム医療を実践している。

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